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北茨城 PFAS最大1280倍 事業所地下水から検出 県、調査範囲拡大へ

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


茨城県は5日、有機フッ素化合物PFASのうち発がん性の指摘される代表物質が、北茨城市内の地下水から暫定目標値(水1リットル当たり50ナノグラム)の最大1280倍検出されたと発表した。自主検査した同市の合成ゴム製造事業者から報告があった。代表物質のPFOAとPFOSの合算値で、PFOSは不検出だった。県担当者は「全国的に見ても高い値」と指摘し、県は調査範囲を広げて物質の広がり状況の把握に努める。

県環境対策課によると、事業者から3日に報告を受けた。2024年12月~25年4月までの間に事業所敷地内の井戸19カ所を対象に地下水を自主検査したという。1カ所を除いて暫定目標値を超過し、32~6万4000ナノグラムだった。

環境省の23年度の公共用水域などの水質測定結果では、22都府県で超過が確認され、最大は2万6000ナノグラムで目標値の520倍。同市で確認された数値は当時の全国最大を大きく上回る。

県は自主検査の理由などを明らかにしていない。この事業者は、界面活性剤など幅広い用途で使われるPFOAを1987~2014年の間使用していたが、現在は使用や保管はしていないという。

事業所内で地下水の活性炭による浄化テストを実施中で、26年3月をめどに浄化設備を決定し、優先度の高いエリアから浄化対策を講じる。また地下水の流出防止対策として、敷地外周に遮水壁設置を検討中。

市は5日、敷地境界から約500メートル範囲の住民を対象に、井戸水の飲用を控えるよう呼びかける個別訪問を始めた。県はPFOAの広がりを把握するため、井戸の水質調査に取り組む。

市生活環境課の担当者は「まだ原因や広がりが分かっていないので(井戸水を)口に入れないことが大事。国や県と連携しながら究明を図り、市民の不安解消に努めていく」とコメントした。

今年に入り、鉾田市内の井戸での目標値超過をきっかけに、小美玉市や茨城町の井戸でも相次いで超過を確認。現在も県が調査しており、物質の広がりが懸念されている。



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