監督交代、GM退任 水戸 J1へ大改革 小島社長「結果出すため」
サッカーJ1に昇格する水戸は8日、森直樹監督(48)の退任と、樹森大介氏(48)の新監督就任を発表した。クラブ初のJ1昇格・J2優勝からわずか1週間余りでの大規模な組織改革。同日、茨城県水戸市内で行われた記者会見では小島耕社長(51)と森氏が出席し、今回の経緯の説明と、新体制で臨むJ1初年度に向け抱負を述べた。
今回の突然の組織改革発表ではほかに、西村卓朗取締役ゼネラルマネジャー(GM)(48)の契約満了による退任と、西村氏が担ってきた強化部門の後任として、強化責任者のフットボールダイレクター(FD)に森氏が就くことが発表された。
会見では、クラブ初の偉業に導いた森氏の監督退任、FD就任について小島社長が「クラブが一番結果を出すための議論を重ね、森がそのポジションに就くことが最適だと判断した」と説明。西村氏が取締役GMとして経営の一端を担ってきたが、FDは経営面には関わらず現場での強化が専門。現時点でGMは「置かないことになっている」とし、今後配置する可能性は「ゼロではない」にとどめた。
森氏のFD就任についてはリーグ期間中から協議が進んでいたという。リーグ終了後に改めて打診があり、森氏は「このタイミングで『やってみないか』と言われたのが一番大きな決め手だった」と説明。来季、特別大会の「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」が実施されるなど、リーグも変化する中で「今がこういう時なのかな」と判断したという。西村氏については「自分が強化担当にいけるよう、準備をずっとこの10年間してくれていた」と感謝し「思いをしっかり背負わなきゃいけない。引き受けることにした」と話した。
新監督人事について森氏は「(樹森氏は)積み上げてきた『やりきる、走りきる、勝ちきる』をしっかり体現できる」とし、以前、水戸でコーチとして主に攻撃の形を築いた手腕を評価。樹森氏は今季、J1新潟の監督を成績不振を理由にリーグ途中で解任されたが「うまくいかなかった人は成功するためにいろいろな道を探る。必ず彼は成功する道を切り開いてくれる」と期待を込めた。
J1初年度へ向けて断行した大改革。小島社長は「森をJ1の舞台で指揮させたかった」との思いもあったことを明かした上で、「全員が心晴れやかに次の仕事へ向かってくれている。良い判断ができた」と語った。森氏も「クラブを前進させるために全身全霊、力を注いでいきたい」と意気込んだ。創設31年目にして歴史を動かしたクラブは新たな変化を遂げ、初の大舞台へ挑む。
■樹森氏「思い背負う」 新監督就任へ
水戸の新監督となる樹森大介氏(48)は8日、就任発表を受け「大きな責任と覚悟を持って、クラブに関わるすべての思い、この街の思いを背負い、クラブ初のJ1の舞台に挑む」とクラブを通じてコメントした。
樹森氏は埼玉県出身。2000年に湘南でプロデビューし、03年から2季にわたり、水戸でプレーした。指導者としては水戸では12~22年にユースの監督を経て、23年から2季、トップチーム専任コーチを務めた。
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