茨城・古河老健殺人公判 容体急変「焦る様子なく」 元同僚が証言 水戸地裁
茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、入所者2人の体内に空気を注入して殺害したとして、殺人などの罪に問われた同市、無職、赤間恵美被告(39)の裁判員裁判第2回公判が11日、水戸地裁(山崎威裁判長)で開かれた。ともに被害男性の応急処置に当たった看護師の女性が証人出廷し、容体の急変を報告しに来た赤間被告について「焦る様子もなく落ち着いていた」と述べた。
被害者2人のうち、鈴木喜作さん=当時(84)=を殺害した罪に関し審理した。
証人尋問で女性は、赤間被告が鈴木さんの部屋へ点滴の確認に行き、5分後にナースステーションに戻り「顔が青白い」と報告したと説明。慌てた様子はなく、その後、体調不良者の対応に本来必要なバイタルセットも持たず、「血圧計だけを持って部屋に行った」と証言した。
女性が赤間被告に応急処置と応援要請を頼むと、「AEDがどこか分からない」「ナースコール押せばいいじゃないですか」と話していたと述べた。
施設長の常勤医も出廷し、事件前の鈴木さんの健康状態は「命に別条はなかった」と証言。心臓病で亡くなった可能性を主張する弁護側から入所時の診断書の評価を問われ、「心臓は少し大きめだったが、測り方で前後する」と話し、正常と判断したことを示した。
起訴状によると、赤間被告は同年5月30日、同市の介護老人保健施設「けやきの舎」で、鈴木さんの点滴用チューブにシリンジ(注射筒)をつなげて空気を注入し、空気塞栓(そくせん)による急性循環不全で殺害したなどとされる。










