飲酒運転、警戒を強化 茨城県警、年末へ一斉検問 死者8人、全国ワースト
飲酒の機会が増える年末に向けて、茨城県警が県下一斉検問などの取り締まりを強化している。今年に入って、県内の飲酒運転による事故の死者は8件8人に上り全国ワースト(暫定値)。飲酒運転の摘発も、11月末時点の前年同期比で2割近く増えた。県警は今月、県内を縦断する国道6号で3週連続で大規模検問を実施するなど警戒を強め、「大切な命を奪いかねない」と飲酒運転をしないよう呼びかけている。
「アルコール検査の協力お願いします」
今月上旬、金曜日の午後8時過ぎ。同県茨城町奥谷の国道6号で約2時間、県警交通部や県警水戸署が26人態勢で通行車両を呼び止め、飲酒検査などを行った。現場では青柳信明交通部長や小泉辰也署長らも見守った。
こうした主要路線での「見せる検問」に加え、この日は繁華街から郊外に通じる道路などを含め県内26カ所で実施。酒気帯び運転の摘発は11件に上り、速度超過や携帯電話使用などの違反も相次いだ。
青柳部長は「人の動きが変わる時期。過去の違反や事故を分析しながら検問場所を選定して取り組んでいく」と話した。
大規模検問は11日にも常磐道日立南太田インターチェンジ(同県日立市)近くの国道6号で行われ、今月第3週にも県南地域で予定される。
県警によると、今年の県内の交通事故死者数は11日時点で77人で、年間の死者数で過去最少だった2021年の80人を下回る。一方、飲酒運転による事故の死者は8人で全国ワースト(暫定値)となっている。
飲酒運転の摘発は11月末時点で915件に上り、前年同期から141件(18%)増加した。繁華街周辺のコインパーキングに駐車し、休憩するなどした後に車で帰宅するケースが目立つという。
危険な飲酒運転が減らない中、県警は毎週木、金曜日を飲酒運転の取り締まり強化期間と設定している。車両や酒の提供、飲酒と知りながら同乗する違反も含め、県内27署全ての管内で検問などを実施。繁華街での覆面パトカーによる警戒も強めている。
県警は「重大な犯罪。事故を起こして大切な命を奪いかねない」と、絶対に飲酒運転をしないよう呼びかける。











