《みと・まち・情報館便り》彫刻家・北沢さん個展 制作過程見せる試み 茨城

オフィスビルで個展を開いている北沢努さん=水戸市南町
オフィスビルで個展を開いている北沢努さん=水戸市南町


茨城県水戸市の彫刻家、北沢努さん(58)の個展「みとまちを歩く森」が26日まで、同市南町2丁目の茨城新聞みと・まち・情報館前で開かれている。北沢さんは、逆さにした木の枝を人に見立て、石こうなどで「足」をつぎ足した「森に棲(す)む」シリーズの造形作品で知られる。今展はオフィスビルのエントランスという特別な空間を生かして、切り出したばかりのキンモクセイの大木を前面に配置。デッサンも並べて制作過程を見せるインスタレーションとして表現した。

「森と人間の共生」をテーマに創作活動に取り組む北沢さんが、ビジネスマンが出入りする市街地のオフィスビルで個展を開くのは初めて。

「森に棲む」シリーズの作品は、朽ちていく二股の木の枝が1人で歩いていくように見える。仕事場に向かい、私生活に戻る人間の営みを想起させることから、今展のテーマを「みとまちを歩く森」とした。

巨大なキンモクセイの生木は、二股ではなく、複数に枝分かれしていて、何人かの人が集まっているようにも見える。作品の構想を練るため、12月初旬、同県東海村のギャラリーで行った公開制作で、カーボンチョークを使って描いた3メートルを超えるデッサンも展示した。

北沢さんは「オフィスビルならではのグレーの石壁に、いい感じで調和している。新たな見せ方を試みた」と来場を呼びかけている。

開館は平日午前10時から午後5時。最終日の26日は午後3時までで、北沢さんが来館予定。入場無料。問い合わせは、みと・まち・情報館(電)029(306)9500。



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