次の記事:横断中の3歳女児、はねられ死亡 容疑で乗用車運転の男逮捕 茨城・水戸【まとめ】 

152年前の英製レール 国内製造前、茨城・龍ケ崎で発見 市歴史民俗資料館で展示

寄贈した英国製レールについて説明する十文字義之会長=龍ケ崎市馴馬町
寄贈した英国製レールについて説明する十文字義之会長=龍ケ崎市馴馬町


8月に解体された茨城県龍ケ崎市の旧関鉄タクシー車庫で支柱として使われていた鉄道レールが、152年前の1873年に英国で製造された輸入品と判明した。関東鉄道竜ケ崎線で使われた古レールで、現存するものの中で最古とみられる。市地域公共交通活性化協議会が市歴史民俗資料館に寄贈し、同館で既に展示されている。同協議会は同年代のレールは県内で希少といい、「産業遺産として残し、展示で竜ケ崎線などに理解を深めてもらえればありがたい」と願いを込める。

同車庫は老朽化により解体された。輸入レールは関東鉄道(同県土浦市)と同車庫を所有していた京成タクシー茨城(同県つくば市)の協力の下、同協会を通して先月寄贈。刻印が残る約1メートル(重さ約32.5キロ)の部分を切り取った。

同協会によると、解体に伴い支柱として使われていたレールを取り出して調査した結果、刻印から1873年製造の英国ダーリントン社の錬鉄平底レールと判明した。国内では1800年代に鉄道のレールは製造されていなかったという。日本帝国鉄道発注の刻印も確認されている。

同線は県内最古の私鉄路線で、1900年に龍ケ崎の中心市街地と日本鉄道土浦線(現JR常磐線)を結ぶ「龍崎鉄道」として開業。寄贈されたレールの流入の経路は定かではないが、15年に線路幅を広げた際、別の鉄道会社から譲り受けたものと推測される。

線路幅が762ミリから当時の常磐線と同じ1067ミリに変わり、貨物列車の輸送効率を上げる狙いもあった可能性がある。錬鉄レールはスチール製と比べて摩耗が早く、レールとしての役目を終え、支柱に使われたとみられる。

贈呈式は11月29日、同館で行われ、市や同協議会の関係者のほか、関東鉄道と京成タクシー茨城の幹部らが出席した。

同協議会の十文字義之会長は「(寄贈の)レールなどを通して、竜ケ崎線が市民により愛され、交流人口の増加につながったり、さまざまなお客さんに乗っていただきたい」と期待を寄せた。



最近の記事

茨城の求人情報

https://cpt.geniee.jp/hb/v1/207318/39/instbody.min.js"