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水戸の歓楽街 AIカメラで客引き対策 自動検知、音声で警告 茨城

AIを搭載した防犯カメラを設置する作業員=16日、水戸市大工町
AIを搭載した防犯カメラを設置する作業員=16日、水戸市大工町


茨城県水戸市の歓楽街・大工町周辺で横行する悪質な客引きを防ごうと、同市は人工知能(AI)搭載の防犯カメラを使った対策に乗り出した。24時間録画する映像を基に、AIが県迷惑防止条例に違反した客引き行為を自動で検知し、警告音声を流す。今月設置した複数の防犯カメラで客引きの様子や顔情報を学習させ、年度内に本格運用を始める。市は観光誘客を視野に「安心して楽しめるような環境にしたい」と、大工町のイメージ向上を図る。

市によると、大工町に設置するAI防犯カメラは全4台。国道50号に面した大通りから、バーやスナック、居酒屋などが集まる「松の木通り」にかけてのエリアを対象とし、16日には計3台を取り付けた。残る1台は建て替え中の水戸署大工町交番が完成次第、設置する。

同様の客引き対策は、福岡県福岡市や兵庫県神戸市で先行するものの、全国的には珍しい。水戸市は数カ月間かけてAIに悪質な客引きの動きを学習させ、「立ちはだかる」「通行人の肩に手を掛ける」といった動きを捉えると、自動で警告の音声を流せるようにする。

録画した映像は個人情報の保護のため、1カ月で削除。違法な客引きの摘発など事件捜査への協力に限り、警察に提供する。事業費は約1000万円で、うち半分は国の補助金を活用。年度ごとに運用費もかかる。

県迷惑防止条例が改正された2009年以降、客引き行為は県内全域で禁止された。大工町や茨城県土浦市桜町などの歓楽街では、店舗の敷地を出て、道路など公共の場で通行人を待つことも禁じられた。

一方、悪質な客引きは後を絶たない。県警は取り締まりに力を入れるが、警官が姿を消せば、客引きたちはすぐに路上に戻るといういたちごっこが続く。

市は居酒屋、スナック、料亭といった「夜の街」を目玉にした観光誘客を後押ししようと、今回、対策に本腰を入れた。昨年からは水戸の梅まつりに合わせ、夜の大工町周辺を舞台したスナック巡りツアーなどが行われている。

市担当者は「怖い歓楽街という大工町のイメージを払拭し、市民や観光客らが夜も安心して楽しめるような環境にしたい」と意気込む。



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