茨城県文化財 新たに3件 木造不動明王立像(稲敷)など追加
茨城県教育委員会は25日、県文化財保護審議会の答申に基づき、木造不動明王立像(同県稲敷市)と木造獅子・狛犬(同県常陸大宮市)の彫刻2件と、弘道館御用留等記録史料(同県水戸市)の歴史資料1件を県指定文化財として新たに加えると発表した。県指定文化財は計700件となった。
県教委などによると、木造不動明立像は安穏寺(稲敷市阿波)に伝来した13世紀の優品。総高174.4センチ、像高114.3センチで寄木造。わずかに腰を右にひねり、裸足で左足を少し開いて岩座に立ち、背後に火焔光背を配す。県内に残る鎌倉時代の不動明王像の中でも特に優れた作品で、同時代の県内の仏師の動向を探る上で大変貴重な資料としている。
木造獅子・狛犬は、長倉愛宕神社(常陸大宮市長倉)に伝来したとされる。獅子(阿形(あぎょう))は像高15.5センチ、奥行14.0センチ、最大幅8.7センチ。狛犬(吽形(うんぎょう))は像高15.5センチ、奥行13.5センチ、最大幅9.0センチ。両像とも手のひらに乗るほど小さいものの、動きのある表現や自然な筋肉の表現などに優れた鎌倉時代前期の慶派仏師による優秀な作品とされた。
弘道館御用留等記録史料は、弘道館(水戸市三の丸1丁目)の運営や教育活動の実態を表す貴重な史料群で計65点。1809年~1872年(江戸後期~明治初期)に、弘道館の教職員など関係者によって作成されたと思われる1次史料。内容は日記類や江戸と水戸の弘道館の往復書案など、多岐にわたる。
弘道館の藩校当時の活動実態を知ることができる希少な史料群という。
今回の指定により、彫刻の県指定は166件、歴史資料は11件となった。











