高齢者虐待 茨城県内290人被害 24年度 家庭内死亡事例1件
茨城県は25日、2024年度に県内で家族などの養護者や介護職員らに虐待を受けた高齢者は、前年度比18人増の290人と発表した。虐待件数は25件増の283件で、家庭内で身体的虐待による死亡事例が1件あった。相談・通報件数は76件減の728件だった。県は、虐待の早期発見や相談できる環境の整備に努めるという。
県健康推進課によると、高齢者に対する家族や親族、同居人らによる虐待として相談・通報があったのは前年度比76件減の680件。うち虐待と判断されたのは270件だった。介護職員らによる虐待として相談・通報があったのは前年度と同じ48件で、うち虐待と判断されたのは2件減の13件だった。
種別(複数回答あり)は、養護者による虐待は暴力や身体拘束などの「身体的虐待」が66.9%で最多。暴言や無視などの「心理的虐待」が34.2%、食事や水を与えないなどの「介護等放棄」が21.5%と続いた。介護職員らによる虐待は「身体的虐待」が60.0%を占め、次いで「心理的虐待」が40.0%だった。
養護者による虐待の被害者は、女性が8割近くに上った。介護職員らによる虐待の被害者は男性が6割を占めた。虐待した養護者は息子が4割超で、次いで夫が2割だった。
同課は「高齢者が増加している中で、虐待判断件数はほぼ横ばい」と分析。今後も施設や市町村の職員を対象とした研修の実施や、住民に啓発を図るリーフレットの配布などを通して「虐待の早期発見や相談できる環境の整備に努めたい」としている。











