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日記で迫る江戸時代の旅 地誌や絵図、工芸品80点 茨城県立歴史館で企画展

旅日記を中心に、旅行案内書や絵図、工芸品など多様な資料から江戸時代の旅を紹介する=水戸市緑町
旅日記を中心に、旅行案内書や絵図、工芸品など多様な資料から江戸時代の旅を紹介する=水戸市緑町


旅の行程や感想がつづられた茨城県ゆかりの旅日記を手がかりに、江戸時代の旅に迫る企画展「博物館でツーリズム!!-江戸時代の旅日記をたどる-」が同県水戸市緑町の県立歴史館で開かれている。旅日記をはじめ、地誌、絵図、工芸品など約80点の展示を通し、当時の旅人たちの足跡を紹介している。

江戸中期-後期、旅は庶民に広く親しまれるようになった。太平の世が続く中、五街道や宿駅の整備によって交通網が発達し、出版文化の隆盛で旅に関する案内書や記事が多く出回ったことなどが、旅の大衆化を後押しした。会場では主に19世紀の資料を西国▽陸奥▽江戸近郊▽茨城-の地域別の旅に分けて展示する。

旅の目的は、伊勢参りや西国三十三所の巡礼、湯治、名所観光とさまざま。旅日記は他の人が読むことを前提に行き先や宿場、費用のほか、道中の体験や気持ちを書き残したもので、ガイドブックのような役割を果たした。

伊勢国の豪商で紀行作家の小津久足は、1840(天保11)年の深川(東京都江東区)から松島(宮城県松島町)への足取りを「陸奥日記」にまとめた。往路は太平洋側の岩城相馬街道をたどって、鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)、香取神宮(千葉県香取市)、息栖神社(茨城県神栖市)からなる「東国三社」や筑波山に立ち寄った後、復路は内陸の奥州街道を選んだことが記されている。目的地・松島の眺望については「真の絶景」と絶賛した。

このほか、坂東三十三観音巡りや鹿島神宮の要石など県内名所の紹介や、名所図屏風(びょうぶ)・双六、柏屋旅館(神栖市)で使われた茶托(ちゃたく)、盃(さかずき)などの展示を通し、当時の人々が見た景色に思いをはせることができる。幕末に上洛の付き添いや従軍などの目的で旅した人々の日記を集めた展示もある。

同館の長谷川良子首席研究員(49)は展示の見どころについて「目的地だけでなく道中も楽しんでいる様子が旅日記からうかがえる。そういう部分も楽しんでもらえたら」と話した。

前期は1月4日まで。後期は同6~25日。一部展示替えあり。月曜(祝日の場合は翌平日)と12月29日~1月1日は休館。



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