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茨城県内AED使用 低迷4% 設置は拡大4000カ所超 心理的ハードル課題

AED設置施設数の推移
AED設置施設数の推移
AEDの使用方法などを学ぶ県の普通救命講習会=県庁
AEDの使用方法などを学ぶ県の普通救命講習会=県庁


心肺停止で救急搬送された患者に対し2023年度に茨城県民がAED(自動体外式除細動器)を使った割合が4.3%にとどまっていることが28日までに、消防庁と県の集計で分かった。学校や公民館など公共施設や民間施設に設置された数は4000カ所を超えるなど、12年間で1.6倍に増えている一方、「心理的ハードルの高さ」(県担当者)を背景に使用が進んでいない実態が浮き彫りとなった。

県によると、県内でAEDを設置する施設数は、25年4月現在で4186カ所。AEDを普及促進させる県条例が施行された13年4月以降、設置数は12年連続で増えている。このうち約7割は学校や公民館など公的施設が占め、コンビニ店や商業施設などの民間も1000カ所を超える。

一方、心臓を原因とする心肺機能停止患者で、23年度中に県民が発見して救急搬送されたのは558件。このうち実際に県民がAEDを使ったのはわずか24件で、使用率は4.3%だった。全国平均の5.0%を下回った。10年前の13年度2.7%からは増えたものの、「利用はまだ進んでいない」(県医療政策課)のが現状だ。

同課は、使用率低迷の要因として、AEDを使う「心理的ハードルの高さ」を挙げる。県が今年7月、18歳以上の県民1000人を対象に行った救急医療に関するアンケート調査によると、AEDを「知っているが、使えるか分からない」と「知っているが、使えない」と回答したのが全体の52.1%。AEDを「知らない」も16.1%だった。

こうした状況を背景に、県内で救命講習の受講が広がっている。県内消防本部や日本赤十字社県支部による講習回数は、新型コロナ禍を除き年間2万~4万回行われ、13~23年度の受講者数は延べ約43万人を突破した。県も毎年、職員向け講習を開いている。

また、救助後に「対応が適切だったか不安に陥る人が一定数いる」(同課)ことから、相談窓口を記載した「サンキューカード」配布も始まった。県内3割の消防本部で導入が進み、県や県医師会、講習実施団体などでつくる「県AED普及推進連絡協議会」がカード普及を進めている。

同課の担当者は「心肺停止からいかに迅速な処置をできるかが鍵を握る。AED使用は生存率の向上にもつながるので、講習を受けるなど使用方法の確認をしてほしい」と話している。



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