塩作り、大洗の資源に 町、観光協、商工会が連携 商品開発も視野 茨城
塩を新たな観光資源として地域を盛り上げようと、茨城県大洗町は、有志を集めて町観光協会、商工会と連携し、大洗の海水を使った「塩づくりプロジェクト」に乗り出した。塩作りを通じて人々の海への親しみを一層深め、地域を活性化させる狙いがある。
塩は、大洗海岸でくみ上げられた海水が原料。塩分濃度25%に濃縮した「鹹水(かんすい)」を、さらに鍋で煮詰めて作る。同じ塩でも、煮詰める時間や温度といった条件を変えることで、結晶の形や味わいなど、さまざまな特長を出せるという。
プロジェクトでは塩に関連したイベントの開催のほか、塩の生産、流通を通して、飲食店などとのコラボなど、事業者とともにさまざまな商品の開発を視野に入れている。
昨年9月、同町磯浜町の大洗磯前神社で発足式が開かれた。関係者約10人が出席し、試作した塩の奉納や神事を行い、事業の安全や成功を祈願した。同11月半ばに同町で開かれた「あんこう祭」では、同プロジェクトのブースを設置し、初めて一般向けの「塩づくり体験イベント」を開催。ブースを訪れた町民ら約50人が家庭用の鍋で塩作りに挑んだ。
近年の考古学上の調査結果などから、同町では古くから製塩が営まれていたことが分かっている。1993年には、同町成田町のゴルフ場で塩作りに使ったと考えられる土器が見つかった。平安時代の歴史書『日本文徳天皇実録』には、海水を煮て塩を作る住民が大洗付近に多くいたことが記されている。
しかし、20世紀初頭から始まった国の「塩専売制」により、塩の生産と流通は管理され、旧来の塩作りは禁止された。97年に塩専売制が廃止されたことから、同町は地域振興に生かすべく塩作りの復興を探ってきた。
一連の事業をけん引する地域おこし協力隊の小張正暁さんは、塩作りを通して「私たちが大地のミネラルを摂取して生かされていることを知ってほしい」と話す。〝塩の町〟を目指し、「いずれ大きなお祭りなどに発展させ、何十年何百年と続くプロジェクトに育てたい」と意気込んだ。











