鹿島沖漁船転覆1年 引き揚げ困難、収束道半ば 不明3人、発見できず 茨城
茨城県の鹿島港沖合でイワシ漁をしていた大津漁協(同県北茨城市)の漁船「第八大浜丸」が転覆し乗組員2人が死亡、3人が行方不明となった事故から6日で1年がたつ。運輸安全委員会は昨年12月、漁網の引き揚げ時に網が下向きに引っ張られ、船体が傾いて転覆したとする調査の経過報告書を公表したが、詳しい原因の解明には至っていない。沈没船の引き揚げは難しく、現場付近の海底で確認された船影の特定と行方不明者の発見もできておらず、収束には道半ばの状況だ。
転覆事故は昨年1月6日午前1時55分ごろ、鹿島港から東約31キロの沖合で発生。20人中17人が救助されたが、50代と60代の日本人男性2人が死亡、40~70代の男性3人が行方不明となっている。同委はこれまでに、大浜丸と船団を組んでいた2隻を調べ、救助された乗組員から当時の状況の聞き取りをしてきた。
調査の経過報告によると、第八大浜丸は2カ所目の漁場で投網。魚群を取り囲んだ網を右舷後部に設置された機械で引き揚げる際、何らかの大きな下向きの力で網が張った状態となり、船体が右に傾いた後、転覆して沈没した。漁網の重さや潮の流れ、網に入った魚群の動きなどが原因と考えられるが、まだ解明には至っていない。
茨城海保は巡視船いずの遠隔操作型無人潜水機(ROV)で、現場付近で確認された沈没船の船影を調査。だが、現場は水深が200~250メートルと深く、海中に残された漁網も多いため沈没船の特定ができなかった。通常のパトロール活動の中で捜索を継続しているが、新たな情報は入っておらず、船の引き揚げはできていない。
同海保鹿島海上保安署は乗組員などの関係者に対し、事故当時の状況などの聞き取りを実施。事故当時、乗組員全員がライフジャケットを着用していなかったことが分かっている。
同委は今後、漁業関係者などからの意見聴取を行い、転覆に関するメカニズムを解析する方針で、転覆した詳しい経緯などを調査していく。担当者は「解明に向け、できるだけ早く調査を進め、対策ができるようにしたい」と話す。










