聖地に確かな足跡 鹿島学園(茨城)準V 大声援、イレブン鼓舞
東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で12日に行われたサッカー全国高校選手権決勝で、茨城県の鹿島学園は神村学園(鹿児島)に0-3で敗れ準優勝に終わった。大会史上最多6万142人の大観衆からは健闘をたたえる拍手が送られた。初の栄冠には一歩届かなかったものの、イレブンは聖地に確かな足跡を残した。
バックスタンドの鹿島学園応援席では、試合前からチームカラーの黄色いメガホンが揺れた。神村学園のブラスバンドに対し、鹿島学園の応援は声が中心。チアダンス部長の斉藤心菜さん(17)=3年=は「大きな声と動きで応援したい」と気合を入れた。
本年度はJリーグの鹿島、水戸をはじめ、筑波大、鹿島ユースと県勢のタイトル獲得が相次ぎ、「茨城旋風」が巻き起こった。MF三浦春人選手の双子の兄で、鹿島ユースに所属する三浦直人さん(17)=3年=は「全員守備、全員攻撃のサッカーを見せてほしい」と勝利を願った。
前半19分に今大会初めて先制点を許すが、応援団は負けじと声を張り上げる。背中に「必勝」と書かれた法被を着た団長の猪瀬史也さん(18)=3年=は「試合で押された時こそ力強い声で士気を高めたい」と最前列でチームを鼓舞した。
2点差で迎えた後半も果敢にゴールに迫ったが1点が遠い。逆に終了間際に3点目を奪われ、勝敗は決まったように思われた。応援席からは一瞬ため息が漏れたが、すぐに「頑張れ!」と声が湧き上がった。
選手をねぎらう拍手が響く試合後のスタンドに、DF斉藤空人主将(3年)の母、しのぶさん(52)=兵庫県西宮市=の姿もあった。「力は全部出せたと思う。決勝に進出できて幸せだった」とわが子の健闘に目を細めていた。
■夢舞台、選手に感謝 マネジャー・森田さん
「皆、目が諦めていなかった。最後まで点を取ろうとする気持ちがあふれていた」。サッカーの全国高校選手権大会で準優勝した鹿島学園。マネジャーとしてチームを支えた森田萌栞さん(18)=3年=は「国立に連れてきてくれたことに感謝している」と選手たちへの思いを語った。
茨城県つくば市出身で、幼い時からサッカー好きの母親に連れられ、プロアマ問わず試合を観戦していた。一方で選手を支えるマネジャーに憧れ「強豪校で日本一になるサポートがしたい」と同校への進学が視野に入った。
自宅からの通学は難しく入学後は寮生活に。覚悟してマネジャーを志願したものの、慣れない環境の中で心身の疲労が蓄積、1年生が終わる頃に部を離れた。
授業後に帰った寮からはグラウンドの練習風景がよく見えた。「マネジャーをやるためにこの学校に来た。もう一度頑張りたい」。思いは少しずつ強くなっていった。意を決して復帰したのは2年生の3月。ブランクがあっても、選手たちは温かく迎えてくれた。
練習道具の準備、飲み物の補充など多岐にわたるマネジャーの仕事を1年生と2人で担った。試合前はいつも「行け!」と力強くチームを送り出し、落ち込んでいる選手に声をかけるなど精神面でも支えた。
表彰式後、鈴木雅人監督(50)が、選手の記念撮影にマネジャーも入るように招き入れてくれた。「選手がメダルをかけて喜んでくれた。本当にうれしかった」。共に戦った夢の舞台。森田さんの表情は笑顔だった。











