J1鹿島 連覇目指す 新体制発表、新加入5人 昨季の主戦力維持
J1鹿島は12日、茨城県神栖市内のホテルで新体制を発表した。昨季、就任1年目でクラブを9年ぶりのリーグ制覇へと導いた鬼木監督の下、2月に開幕する特別大会「百年構想リーグ」での連覇を狙う。会見に登壇した強化責任者の中田浩二フットボールダイレクター(FD)は「連覇は鹿島にしかできない。タイトルを取ることだけを考えたい」と意気込みを語った。
スローガンは昨季同様に「Football Dream(フットボールドリーム) ONE(ワン)」に決まった。連覇という目的に向かって全員が一つとなり、ナンバーワンを目指すという意味が込められている。
新加入は5人で、いずれも大卒やユース出身の新人となった。明大からサイドアタッカーのMF林晴己(22)とGK藤井陽登(22)が加入した。ユースからはDF大川佑梧(18)が昇格したほか、高校2年のFW吉田湊海(17)と元砂晏翔仁ウデンバ(16)がプロ契約を結んだ。
強化方針はチーム内競争と鬼木サッカーの発展だ。現状、他クラブからの補強は敢行しておらず、昨季の主戦力を維持した状態で今季を迎える。中田FDは「移籍市場とチームを見比べた中で、今の選手たちにはもっと伸びしろがある。鬼木監督の戦術も含め、もっと成長できる」と編成の狙いを説明した。
今後は14日にキャンプ地・宮崎に移動し、24日まで練習や練習試合を重ねる。開幕戦は来月7日、敵地でFC東京と対戦する。
■MF林 結果と内容で貢献
○…世代屈指のサイドアタッカーが鹿島のユニホームに袖を通す。明大出身のMF林は「監督の求めることをすぐ行動に移し、結果と内容で勝利に貢献したい」と活躍を誓う。
当たり負けない体の強さで果敢にゴール前に侵入するドリブラー。他クラブとの競合の末、鹿島への加入を決めた。「年齢関係なく求め合っている。勝つチームだと思った」と決め手を語った。
7日の始動後は毎日のように居残り練習で技術を高めており、「止める・蹴る」のパス練習を鬼木監督と行う場面もあった。即戦力の22歳は「質を突き詰めて、自分のプレーを出していきたい」と力強く意気込んだ。
■DF大川 結果出して恩返し
○…ホームタウン茨城県鹿嶋市出身のDF大川は、鹿島ユースから昇格し「鹿島で活躍することは小さい頃からの夢。結果で恩返しできるよう頑張る」と決意を語った。
左足からの正確なロングパスや、対人の強さが特徴のセンターバックで、中学時代から各世代の日本代表を経験。昨年は数々のタイトルを獲得し「歴代最強」と呼ばれた鹿島ユースを主将としてまとめた。
鹿島育ちで日本代表に上り詰めたドイツ1部ホッフェンハイムの町田浩樹が付けていた「背番号28」を背負う。経歴やプレーの特徴など重なる部分が多く「町田選手と同じように、しっかり活躍する」と意気込んだ。
■GK藤井陽登 先輩の早川目標
ずっとプロを目指してきた中、昨年12月にオファーをもらい、うれしかった。大学の先輩で(J1で)MVPを取った早川さんが目標。シュートストップや攻撃の起点となるキックが得意。一日でも早く勝利に貢献したい。
■DF元砂晏翔仁ウデンバ 足元の技術注目
ユースの中心として3冠を取りアピールできたことが、今回の昇格につながったと思う。まだスタートラインに立っただけ。長身を生かしたヘディングや足の長さを生かした守備、足元(の技術)を見てほしい。
■FW吉田湊海 努力が実った
(プロ契約できて)うれしかった。やってきた努力が実った。シュートやヘディング、ビルドアップ(攻撃の組み立て)にも関わるのが武器。鹿島と言ったら優磨君(鈴木)なので、超えられるように頑張る。
《記者の目》チーム内競争、追い風に
移籍による選手獲得はなく、平穏なオフが明けた。9年ぶりのリーグ制覇に貢献した主戦力が軒並み残留したことが最大の収穫だろう。
目標の連覇に向け、リーグ最優秀選手賞(MVP)のGK早川や、21ゴールで得点王のFWレオセアラが昨季のキャリアハイを塗り替えたい。ベストイレブンに選ばれたDF植田、10得点5アシストのFW鈴木の活躍も必要不可欠。大幅な戦力の入れ替わりがないことから、鬼木サッカーの浸透も促進されるはずだ。
主戦力に加え、昨季は負傷により戦線離脱していたDF関川や安西、FW師岡らの復帰は補強に値する。新人の新戦力も主力を脅かす実力派ぞろいで、中田FDは明大から加入したMF林とGK藤井を「即戦力」と期待する。ユース出身のDF大川は植田の存在を脅かす存在で、FW吉田とDF元砂はともに高校2年で異例のプロ契約を結んだ期待の新星。チーム内競争の激化が連覇への追い風となるに違いない。
百年構想リーグは昇降格がないことから、若手に活躍の機会を与えて全体の底上げを狙うこともできる。しかし、鹿島は一貫して勝利を優先する。鬼木監督は始動日の7日、「降格がないから若手を試すとか、そんな考えは全くない」と否定した。より成熟した戦いが期待できそうだ。
今夏にはアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)が開幕するなど、過密日程が待ち受けている。今冬の移籍市場は4月まで開いており、選手層に厚みを持たせるために今後も最適な手段を選びたい。
■新加入選手一覧
GK藤井陽登(ふじい・はると)2003年6月5日生まれ、青森県出身。183センチ、79キロ。矢板中央高-明大。
DF大川佑梧(おおかわ・ゆうご)2007年7月14日生まれ、茨城県鹿嶋市出身。鹿島ジュニア-鹿島ジュニアユース-鹿島ユース。
DF元砂晏翔仁ウデンバ(もとすな・あんとに・うでんば)2009年3月10日生まれ、兵庫県出身。192センチ、82キロ。鹿島ユース。
MF林晴己(はやし・はるき)2003年12月5日生まれ、山口県出身。177センチ、73キロ。高川学園高-明大。
FW吉田湊海(よしだ・みなと)2008年7月15日生まれ、神奈川県出身。172センチ、72キロ。鹿島ユース。J1通算1試合0得点。
■加入・退団選手の動向
◇加入(前所属)
【新人】
GK藤井陽登(明大)
DF大川佑梧(鹿島ユース)
DF元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島ユース)
MF林晴己(明大)
FW吉田湊海(鹿島ユース)
◇退団(移籍先)
【完全移籍】
GK朴義正(韓国・華城FC)
【期限付き移籍】
DF佐藤海宏(J2新潟)
MF下田栄祐(J2栃木C)
【期限付き移籍期間満了】
MFターレス・ブレーネル(ウクライナ・ルフ・リビウ)
【契約満了】
MF須藤直輝(未定)
【PR】私が触れた「マジック」-木内幸男さんをしのんで (電子書籍)











