《連載:2026茨城・飛躍の人》(6) 平たんな言葉で心表現 現代詩人 高塚しいさん(21)
「推しの名前が付いた賞が欲しいなって。(最終選考に)残ると思わず意外だった」と現代詩人の高塚しいさん(21)は語る。第1詩集「六月の幻想」(2024年)が昨年、若手詩人の登竜門として知られる中原中也賞で、応募247点のうち最終選考6点に残り、受賞まであと一歩に迫った。
読書好きの子どもだった。小学時代は図書館で本を毎日1冊借りて読み、中学では太宰治の「人間失格」や「斜陽」をきっかけに文学の世界にはまり、「最推し」と語る中原中也の作品と出合った。
創作を始めたのは中学3年の頃。中原の文体をまねながら、日々の出来事や気持ちをノートに書きためた。岩手県立盛岡三高(同県盛岡市)で文芸部に入ると、小説や随筆、短歌、俳句、詩と幅広いジャンルに挑戦した。2年生の時には、全国高校生短歌大会(短歌甲子園)で特別審査員賞、全国高校文芸コンクール短歌部門で優良賞に輝いた。
人間関係の悩みやモヤモヤが執筆の原動力。作品「六月の幻想」は「私とあなたの関係性の変化」がテーマの高校から大学時代の4編で構成している。中原中也賞の審査では、表現が課題との指摘はありつつも「圧倒的な熱量」「力いっぱいにたたき付けられる言葉」などと、その勢いや激しさが評価された。
現在は茨城県水戸市の茨城大で心理学を専攻し、心の動きについて理解を深める。将来は心理学に関係する仕事に就き、創作も続けるつもりだ。
「一人語りで終わらせず、どこか他の人にも通ずるところがあるようにと願って書いている。平たんな言葉でどこまで表現できるかを考えていきたい」
■たかつかしい
2004年岩手県北上市生まれ。影響を受けた詩人は中原中也、最果タヒ、水沢なおなど。現在、茨城大人文社会科学部で心理学を専攻。21歳。











