《連載:2026茨城・飛躍の人》(9) オルガニスト 寺内弘志さん(19) 「心に届く音楽」目指す
楽器の中で最も大きなパイプオルガン。両手、両足と体全体を使って演奏する。オルガニストの寺内弘志さん(19)は「オーケストラのように重厚な音色を1人で生み出す姿がかっこいい」と語る。
小学1年の頃に偶然耳にした茨城県水戸市五軒町の水戸芸術館にあるパイプオルガンの音色に引かれ、コンサートに通った。小学4年で、同館の「市民のためのオルガン講座」に初めて参加。聞く側から弾く側になったことで「魅力の沼にはまってしまった」。半年間のレッスンを経て迎えた発表会。大勢の観客の前で「オルガニストになりたいです」と宣言していた。以来、その夢に向かい、着実に歩を進めてきた。
昨年3月に県立水戸三高音楽科を卒業し、目標としていた東京芸大に進んだ。いっそう学びを深めながら、音楽家としての経験を重ね始めた。昨年秋には初めて単独コンサートを開いたほか、茨城県ゆかりの音楽家から選抜されて開催される演奏会にも出演。活動の場を広げている。
パイプオルガンは「会場に響いて完成する音楽」。一音一音に気を配り、観客の耳に届く音色を想像しながら演奏する。
演奏の後、初めて会う人から「良かったよ」「泣いちゃった」と直接感想をもらうことがある。そのたびに、自分の音楽が相手の心に届いたのではないかと感じ、原動力になっている。音楽そのものを楽しみながら必要な技術や知識を身に付けていきたいといい、「人を感動させられる音楽を届けたい」と望む。
「次の目標は海外。本場ドイツで経験を積み、いつか水戸芸術館に帰ってきたい」
■てらうちひろし
2006年、茨城県水戸市生まれ。幼少期からピアノやバイオリン、ドラムなどさまざまな楽器を学ぶ。現在、東京芸大器楽科でオルガンを専攻。19歳。











