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《ROOTS 茨城人》「劇団普通」主宰 石黒麻衣さん(46) 那珂市出身 「リアルな会話」追求

演者と同じ目線で演技や発音を教える劇作家の石黒麻衣さん=東京都中央区
演者と同じ目線で演技や発音を教える劇作家の石黒麻衣さん=東京都中央区


30代で劇団を立ち上げた。「態度劇」や「能のような演劇」と称される公演が注目を集める。作品で描くのは家族や親族など近しい関係の人々。記録されることのない、当事者の記憶にのみ存在する日常をリアリティーあふれるせりふと演出で描く。近年は全編茨城弁の公演を行い、茨城県で今月上演した新作「季節」はその集大成だ。

2013年に「劇団普通」を旗揚げ。主に作・演出を担う。こだわるのはリアルな会話や態度。「本来、会話は誰かに聞かせるものではなく、全く整頓されていない。ただ、そのままだとお客さまに伝わらない」と、紙一重のバランスを追求する。

注目を集めたきっかけは19年、初めて全編茨城弁で行った公演「病室」。作品をつくり上げる中で「ずっと見続けられるリアルな日常会話」を見いだした。せりふは無駄をそぎ落とした上に間も多く、会話劇ならぬ「態度劇」や「能」と称される。以来、全編茨城弁の公演を続けている。

同県水戸市で生まれ、同県那珂市で育った。作品の登場人物には故郷で出会った人たちの「要素」が詰まっている。せりふは、頭に「何」が付いたり、語尾が「でしょうよ」となっていたり、県民らしい言い回しが満載。方言指導も自身で行う。

「言葉が人をつくっているのか、人が言葉をつくっているのか判然としないが、言葉と人は一体となっている」。方言を生かした作品をつくる過程で、県民の魅力を再発見した。

新作は地方で実家を継ぎ、両親の面倒を見ながら妻と暮らす男と親族の群像劇だ。「価値観の過渡期に暮らす人々がどういう疲れ方をしているのかを描きたい」と話す。

昨年12月の東京都内公演は大盛況だった。茨城県で今月公演し、初めて地元に凱旋(がいせん)。「水戸での公演はかねてからの夢だった」。劇団の転換点を故郷で迎えた。

■いしぐろまい

1979年生まれ、茨城県那珂市出身。高校まで県内で過ごし、大学進学を機に上京。社会人の時に「体を動かしたい」と演劇教室に通い始め、没頭。2022年に「秘密」で佐藤佐吉賞最優秀脚本賞を受賞。昨年は同作の再演で「読売演劇大賞」中間選考会で上半期の演出家賞ベスト5に選ばれた。



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