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干し芋残渣の活用拡大 茨城大生有志プロジェクト 商品開発や啓発絵本出版

干し芋の残渣削減プロジェクト実行委員会のメンバー=水戸市三の丸
干し芋の残渣削減プロジェクト実行委員会のメンバー=水戸市三の丸
干し芋残渣を使ったアップサイクル商品「はしっぽかりんとう」=水戸市三の丸
干し芋残渣を使ったアップサイクル商品「はしっぽかりんとう」=水戸市三の丸


干し芋の加工で原料サツマイモの約4割が捨てられるという「食品ロス」の問題を解決しようと、茨城大(茨城県水戸市)の有志でつくる「干し芋の残渣(ざんさ)削減プロジェクト実行委員会」(HZP)は、干し芋残渣を再利用する〝アップサイクル〟の考え方を広めている。干し芋農家向けの研修会を開き一緒に問題を考えたり、啓発のための絵本を出版したり、企業と協働で商品を開発したりと、活動の幅を広げている。

干し芋の残渣は、加工時に切り落とされる実や皮の部分。見た目や品質を保持するため皮を厚くむく必要があり、年間の残渣量は茨城県だけで1万トンに上る。燃えにくく、放置すると悪臭や害虫発生の原因になりかねないことや、処分費用がかさむことが課題となっている。

HZPは、干し芋の残渣をアップサイクル製品として生まれ変わらせ、食品ロス削減とともに、おいしく楽しく地域課題解決を目指すプロジェクト。学生有志で2021年に設立。残渣の活用法を探ってきた。活動内容は商品開発のほか、イベント出店、講演会と幅広い。

また、学生らは残渣を「はしっぽ」と呼ぶ。サツマイモの「端」であり、〝皆から愛されるように〟と願いを込めている。これまでに開発した「はしっぽレシピ」は50種。このうち、かりんとうやアイス、ソーセージなど16種を、地元企業と共同で商品化した。

23年には、県内の干し芋農家600軒と消費者200人にアンケートを実施。残渣の実態調査では「誰も食べないと思う」「汚そう」「そもそも食べられるのか」といった声が寄せられた。残渣にはマイナスのイメージがあり、利活用の足かせになっていることが浮かび上がってきた。

そこでHZPは昨年、幅広い世代に関心を高めてもらおうと、絵本「はしっぽちゃんはたからもの」を出版。捨てられて自信をなくしていた干し芋残渣の妖精「はしっぽちゃん」が、旅を通じてさまざまなキャラクターと出会い、自分の魅力に気付いていく物語だ。プロの手を借りながら、HZPのメンバーが中心となって構想し実現した。

昨年12月には、初めて茨城大付属幼稚園の子どもたちと保護者に対し、絵本の読み聞かせも披露した。

今後、HZPは絵本とアップサイクル商品をセット販売し、子どもたちの環境教育に役立ててもらう考えだ。今月31日には、水戸市民会館で開かれる「環境フェア」に参加し、活動報告と読み聞かせ、同セットの販売を行う。

同大教育学部3年で実行委員長の森田琴弓さん(21)は「私たちの活動を見て、環境のためにできることが身近にあると思ってもらえたら」と期待を込めた。



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