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新春合同政懇 「渋滞学」を多分野活用 東大教授・西成さん 永続性の大切さ説く 茨城

「渋滞学」について語る東京大先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏=水戸市千波町
「渋滞学」について語る東京大先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏=水戸市千波町


茨城新聞社主催の新春合同政経懇話会が29日、茨城県水戸市千波町の水戸プラザホテルで開かれ、東京大先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏(数理物理学)が「渋滞学はいかに生まれ、いかに活かせるか」と題し講演した。車や人の移動に伴う渋滞や混雑緩和を巡る研究成果を紹介。車間距離を保つことが渋滞解消につながるとし、「(短期の)利益より、永続性が大事」と語った。

1967年、東京都生まれ。県立土浦一高卒。同大大学院工学系研究科博士課程修了。数学や物理の基礎研究と社会的な重要課題を結び付けようと、「渋滞学」の研究を始めた。

まず渋滞の定義を作るため、国のデータを分析。交通量と密度の関係から、高速道路での渋滞を「距離1キロ当たり車が25台以上ある状態」「車間距離40メートルで走らざるを得なくなったら渋滞」とした。

ユニークな研究成果も披露した。3カ月かけてアリの自然観察を行い「アリは渋滞を回避している。(間隔を)空けている」と突き止めたという。さらに社会実験でも証明した。渋滞の名所、中央自動車道の小仏トンネルで、車8台が車間距離を空けて一定速度で走ったところ、「渋滞を消した」と振り返った。

渋滞学が車のほか、人の移動や生産効率化など多分野で活用できる利点も紹介した。バケツリレーの例に触れ、一定量の水をためる最速法として、水は7割入れるのが「もっとも効率がいい」と指摘。「この考えが分かると、渋滞学の本質が伝わる」と強調した。

最後に「一番大事なのは利益より、永続性。優先順位を間違えると重大な判断ミスになる。科学的な(裏付けのある)ゆとりを持ちましょう」と呼びかけた。

【出席者コメント】
■山本卓・東日本高速道路関東支社水戸管理事務所長 数学的観点 参考に

首都圏は交通網の充実により、渋滞損失時間が最近増えており、当社もハード、ソフトの両面から日々対策を講じている。数学的観点からのアプローチは非常に興味深く、参考になるものは取り入れていきたい。

■秋山芳久・秋山工務店社長 意識すること大事

会社のある日立市は車が多く大きい道路の合流もあるから、朝晩の混雑が激しい。車間距離を取って運転することで、後ろに続く車が止まらずに済むのが良いと思った。講演はもっともだが、(知見が)生かされないと意味がない。意識することが大事。

■田口茂・鹿嶋市議会議長 自分事、参考になる

今の日本は政治、経済、社会などさまざまな分野で渋滞が起きている。生産現場で働いた経験や、その後政治家として議会運営に関わるようになった者として、先生の話を自分事として興味深く聞いた。非常に参考になった。

■原田博夫・専修大名誉教授 今一番必要な学問

数学、物理の理論を社会問題解決に応用する考えと、両者を「渋滞学」で結び付ける着想のユニークさが素晴らしい。人間を制御するのが難しい自由な社会では、さまざまな分野への応用が期待でき、今一番必要な学問ではないか。

■高野喜代子・貸切ドッグラン 今後の展開に興味

マッシュウ オーナー 「渋滞学」はあまり自分に関係がないと思っていたが、人や物、生産の流れと工程などをスムーズにする学問であると理解した。高齢社会での自動運転技術への応用と今後の展開が興味深かった。



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