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水戸京成百貨店雇調金詐取 元社長に6年6月求刑 検察「信頼裏切った」 水戸地裁 茨城

水戸地裁=水戸市大町1丁目
水戸地裁=水戸市大町1丁目


水戸京成百貨店を巡るコロナ禍での国の雇用調整助成金の詐取事件で、詐欺罪に問われた元社長の斎藤貢被告(68)=千葉県柏市=の論告求刑公判が30日、水戸地裁(家入美香裁判長)であり、検察側は「巧妙な手口で敢行した悪質な犯行で、茨城県民の信頼を大きく裏切った」として懲役6年6カ月を求刑した。弁護側は元総務部長の男性(59)=詐欺罪で懲役3年確定=による独断の犯行として無罪を主張した。判決は3月10日に言い渡される。

検察側は公判で、斎藤被告が元部長らと共謀し、2020年8月から21年5月までの間、従業員の休業日数を水増しした虚偽の申請書を茨城労働局に繰り返し提出し、雇調金計約6億7000万円をだまし取ったと主張している。

確定した元部長の判決は斎藤被告との共謀を認定。公判では不正受給した事実関係に争いはなく、被告が元部長に対して勤怠データの改ざんを指示したかどうかが争点となっている。

被告は当時、実際の休業日数で算出した場合の雇調金の受給額と、勤怠データを改ざんした際の受給額が記載されたシミュレーション資料を受け取り、元部長にLINE(ライン)で「君らの資料なら賃金を遅らせるしかない」「勤怠の考えに誤りがあったとすれば修正すべき」などと送信していた。

この日の論告で検察側は、給与の支払いが遅れるのは勤怠データを改ざんする場合であり「メッセージは暗に改ざんを指示しているものとしか考えられない」と主張。被告に指示されたとする元部長の証言は各資料とも整合し「信用できる」とした。

動機については「赤字を少しでも削減し、親会社からの評価が下がることを避けるためだった」と説明。その上で「再三翻意を促されたにもかかわらず犯行を指示した首謀者であり、責任は元部長より明らかに重い」と非難し、実刑判決を求めた。

弁護側は最終弁論で「元部長以外の誰一人として被告からの直接の指示を聞いておらず、不可解だ」と反論。シミュレーション資料については、雇調金制度を理解するためのものだったと説明し「被告が改ざんに関与したことを証明する直接証拠や客観証拠はない」と述べた。その上で、生え抜き役員だった元部長が、経営不振を理由に親会社から見放されることへの恐怖心から独断で犯行に及んだと主張した。

■被告、無実訴える 部長証言は「口先のうそ」

最終意見陳述で斎藤貢被告は「雇調金の詐欺を部下に指示したことは絶対にありません」と主張し、一連の犯行は「元総務部長の誤解とうそから始まった不正行為」と訴えた。

これまでの公判と同様、この日も濃紺のスーツ姿で出廷した被告。証人尋問で被告の関与を証言した元部長に対しては「真実を話してくれると思っていたが、全くの期待外れだった。彼は『罪を償う』と言ったが、口先だけのうそとしか感じられなかった」と思いを述べた。

不正行為を認識していれば「当然止めさせた」と述べた一方、自身の責任にも言及し「不祥事を未然に防ぎ、部下を守り、会社の信用を守るコンプライアンス意識の徹底が不十分だった」と謝罪。陳述の最後に「私は無実であり、無罪です」と語った。



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