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《リポート2026》不法滞在摘発、高い水準 茨城・鉾田の外国人問題 雇用主 実習生への悪影響懸念

過去に不法滞在者の摘発があったアパート=鉾田市内
過去に不法滞在者の摘発があったアパート=鉾田市内


茨城県鉾田市内で不法滞在外国人の摘発(検挙)が続いている。昨年11月中旬には同市内の隣り合う一軒家9カ所で外国人男女計21人が一斉に摘発された。県は「外国人等へのルール遵守対策プロジェクトチーム」を設置するなど、外国人の不法就労への対応を強化する流れにある。一方で、正規の技能実習生が犯罪に引き込まれるのではないかと懸念する声もある。同市内の不法滞在の状況などを見て回った。

同市内における不法滞在者の住居傾向を見ると、一戸建て住宅やアパート、別荘が多い。いずれも築30~40年が経過し、日本人の借り手が少ない物件だ。一戸建ての場合、複数人で住むケースがある。例えば一戸建て3LDKの場合、各部屋に2、3人ずつがシェアしていることがあるという。

所有する物件で不法滞在者が摘発された経験がある同市、不動産業の60代男性は自身の物件で不法滞在の摘発があったことについては、「初めてではないので、またやられたのかというのが率直な感想」と振り返る。また、不法滞在者同士のつながりの強さを指摘し「(自分の)アパートは、外国人にも貸してくれるといううわさが広がっているようで、『友達の友達の紹介で来た』という外国人が多い」と語る。中には1人で複数の物件を借り、それをまた貸しして商売を行っている者もいたという。

外国人に貸す主な理由として、「古い建物は外国人を入れないとふさがらない」と現状を話す。

県警鉾田警察署によると、過去3年間の茨城県内の不法滞在外国人摘発数は2023年が429人、24年656人、25年10月末時点が587人。このうち同署管内では23年42人、24年71人、25年11月末時点が95人となり、県内でもワーストレベルの摘発数となった。摘発数は新型コロナウイルス禍前の水準に戻っているという。

茨城県で摘発された外国人の在留資格は、20~24年の過去5年では「短期滞在」が最も多く1007人(50.3%)、次いで「技能実習生」が727人(36.3%)となり、両資格で全体の8割強を占める。短期滞在は在留期限が切れた後も滞在していたオーバーステイ、技能実習生は賃金などへの不満から実習先を失踪しながら帰国しないで働き続けていた。国籍別に見ると24年は1位がタイ、2位ベトナム、3位インドネシアで、カンボジア、中国と続く。

就労先はブローカーの紹介や交流サイト(SNS)、既に働いている技能実習生からの紹介などのケースがある。給与水準は正規と同レベルで日雇いであることが多く、勤務態度も真面目な者が多いという。

不法滞在者の問題として交通事故発生時の責任や、犯罪の温床になる可能性も挙げられる。同署幹部は「不法就労と犯罪グループのコミュニティーが明確に分かれているわけではない」と指摘。そのため、真面目な不法就労者、さらには正規の実習生に対して犯罪への誘いや、引き抜きが起きることもあるという。

同市で農業を営み、3人の技能実習生を雇用する40代女性は「不法滞在者には悪い評判が絶えず、うちの子たちがそうした人たちと付き合うようになったら困る」と不安の声を上げた。

不法滞在について、同署の菊地雄一署長は「検挙活動を精いっぱい行っているが、先が見えないのが現状」と嘆く。続けて、「正規の技能実習生として真面目に学び、母国で活躍しようとしている人たちの生活を阻害しないためにも、不法滞在を厳しく取り締まる姿勢に変わりはない」と決意を語る。県や市、事業者らと協力して行う不法滞在防止の啓発活動の重要性も指摘し、「検挙と啓発の両輪で対策を進めていければ」とコメントした。



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