歴史や花鳥、日本画多彩 木村武山生誕150年展 茨城県五浦美術館
優れた色彩感覚と確かな筆致で明治から昭和初期に活躍した茨城県笠間市出身の日本画家、木村武山。その多彩な画業を振り返る「生誕150年記念 木村武山展」が11日、同県北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開幕した。生涯得意とした歴史画や花鳥画、仏画を中心に代表作など約60点を紹介。伝統的な日本画技法に革新的な試みを融合させた武山芸術の粋を伝えている。
武山は1876(明治9)年、旧笠間藩士、木村信義の長男として生まれる。本名は信太郎。10代初めに地元の南画家に師事し、「武山」の号を用いる。小学校を出た後、東京の開成中学に入学。中学2年を終えた92年に東京美術学校(東京芸術大)の日本画科に進んだ。在学中は校長の岡倉天心(覚三)の薫陶を受け、天心が主導した日本美術院の創立にも副員として参加した。
1906年、天心が、苦境にあった同院第1部(絵画)の茨城県・五浦移転を決行した際には、同校先輩画家の横山大観、下村観山、菱田春草と共に家族を連れて移住。天心による日本画の革新運動の一翼を担った。晩年は、病のため右手の自由を失って左手で絵筆を執ったことから、〝左武山〟の異名も持つ。
本展は、県内外の美術館や個人所蔵家の協力を得て開催。代表作に加え長年所在が不明となっていた作品を含めた約60点を、前後期に分けて展示する。前期展示(3月22日まで)では、中国・六朝宋の詩人を描いた「陶淵明」や、円熟した技巧が光る「花鳥十題の内」シリーズなどが見どころとなる。また武山芸術の集大成ともいえる、昭和初期に古里笠間に建立した大日堂に安置されている厨子(ずし)を特別公開している。
同館企画普及課学芸主事の村木正英さんは「五浦で研さんを積んだ画家の中でも木村武山は古画研究に励む勉強家だった。歴史画や仏画など独自の視点で表現した武山の芸術世界を感じてほしい」と話している。
会期は4月19日まで。月曜休館。2月23日開館、24日は休館。問い合わせは同館(電)0293(46)5311。











