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特定技能 茨城県初のバス運転手 つくばの会社勤務 スリランカ国籍カービンダさん 日本語学び、大型2種取得

県内で初めて特定技能1号のバス運転手となったカービンダさん=つくば市榎戸
県内で初めて特定技能1号のバス運転手となったカービンダさん=つくば市榎戸


運転手不足が深刻化する茨城県内のバス業界で、外国人労働者の在留資格「特定技能」を活用した1人目の外国人運転手が誕生した。つくば市のバス会社に勤めるスリランカ国籍のワタケテイヤ・ワラウウェ・カービンダ・バンダラ・セネビラトナさん(25)だ。日本語能力試験と大型2種免許の試験というハードルを乗り越え、バスの運転技術や乗客対応の初任者研修を終えた。カービンダさんは「いつか両親を乗せたい」と目を輝かせる。

観光バスや日本語学校を運営する常南交通(同市)に勤務。今月3日に研修を終え、現在はスクールバスの運転を任されている。

「日本に来たら人生が良くなるよ」。日本に住む叔父の言葉に心を動かされ、約3年前に来日。同社の日本語学校で学び始めた。転機は、2024年の特定技能1号の受け入れ分野拡大。バスの運転手が追加されたのを踏まえて同社から希望者の募集があり、手を挙げた。

母国では大型の免許を取得し、トラックを運転することもあった。来日後、「日本の大型(自動車)はきれいでかっこいい」と感じ、「乗ってみたい」という動機につながった。

猛勉強の末、日本語能力試験で、日常会話・場面をほぼ理解できる「N3」に合格。半年滞在可能な在留資格「特定活動」が認められ、同社に就職した。

■会社がサポート

初の外国人運転手の誕生に向け、会社が後押しした。「教育や手続きは日本人の新人の数倍労力がかかった」と斎藤正敏常務取締役(49)は振り返る。

同社総務部の仁平千晶さんは、バス業界特有の言葉や社会のマナーを指導。大型2種の試験については、スリランカの言葉に対応したテキストがない中で「翻訳したり、動画で見せたり工夫して教えた」。

カービンダさんの素直な人柄もあり、先輩社員が積極的に協力。こうした周囲の支えもあり、25年9月、大型2種の本試験に合格した。さらに日本バス協会が定める外国人材の新任運転者研修を修了し、同12月、特定技能1号を取得。県バス協会によると、同1号のバス運転手はカービンダさんが県内初となった。

■安定輸送提供へ

バスの運転手不足は年々深刻さを増す。24年度のバス運転手の有効求人倍率は2.07倍で、全職種平均より約2倍高い。県バス協会によると、近年はバス路線の廃止が相次ぎ、学校行事で使う貸し切りバス探しに苦労する学校関係者の声が協会に寄せられる。

同社は運転手57人を抱え、まだ不足はないという。ただ、平均年齢は58歳を超え、次代の運転手の確保が課題だった。解決策の一つが外国人の採用で、斎藤常務取締役は「バスはドライバーなしでは運転できない。外国人のドライバーも受け入れられる体制を整え、安定した輸送を提供し続けていく」と話す。

将来のバス業界を担う一人となったカービンダさん。今も勉強を続け、日本語能力試験の「N2」にも合格した。「お客さんを安全に運ぶことが一番の目標。そしていつか、自分の運転する観光バスに両親を乗せたい」。夢に向けて、技量を磨き続ける。

★特定技能

深刻な人手不足を背景に、特定の分野での外国人労働者の受け入れを認める在留資格。2019年に創設された。24年には、最長5年働ける特定技能1号の受け入れ対象にバス運転手を含む自動車運送業が追加。介護や農業、建設など計16分野に拡大した。国土交通省の白書では、30年には乗り合いや貸し切りを含め、全国で運転手が3万6000人ほど不足すると見込む。



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