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後藤親子の功績、次代へ 彫刻家と研究者 顕彰会を設立 茨城・水戸

美術史の観点から後藤清一の彫刻について語る小泉晋弥氏(左)=水戸市三の丸
美術史の観点から後藤清一の彫刻について語る小泉晋弥氏(左)=水戸市三の丸


宗教や哲学を根底に据え大正から昭和に活躍した茨城県水戸市出身の彫刻家、後藤清一(1893~1984年)と、その長男で茨城県仏教美術研究の第一人者、後藤道雄氏(昨年10月に92歳で逝去)。芸術界や美術史研究での親子の功績を顕彰する会が22日、同市三の丸の常陽芸文センターで設立された。ゆかりのある人たち約80人が集い、清一の深い精神性をたたえた彫刻や道雄氏の膨大な研究業績を次代に継承していくことを誓った。

清一は県立商業学校(現県立水戸商高)を15歳で中退し、上京して象牙彫の仕事に就く。21歳で東京美術学校(現東京芸術大)に入学し、高村光雲に師事。卒業後は思想や仏像の研究を進め、同級生らと彫刻の道を歩み始める。戦後は、宗教や哲学をテーマに多くの名作を生み出した。

道雄氏は7歳の時、清一の古里である水戸市に疎開。大学では考古学を学んだが、20歳の時に仏教美術史の研究に転じた。大学中退後、奈良国立文化財研究所での嘱託職員を経て、1965年に帰郷。茨城県立歴史館の学芸部長などを務め、茨城の仏像彫刻にちなむ展覧会を積極的に企画した。

顕彰会は、道雄氏と交流のあった浄土真宗・善重寺(水戸市酒門町)住職の藤本貫大氏(58)をはじめ、親子をよく知る美術関係者らが5人が発起人となった。

冒頭、藤本氏は親子と同寺の深いゆかりを紹介。若い時代の清一が親鸞に傾倒し、芸術の糧とするため同寺で信仰に励んだことを明かした。道雄氏は同寺に残る優れた仏像群に興味を示すとともに、重要文化財「聖徳太子立像」を研究の柱に据えたという。藤本氏は「お二人の功績をきちんと継いでいきたい」と決意を示した。

さらに同じく発起人となった3人が、親子の業績を美術史や文化財保護の視点でそれぞれ講演した。

茨城県天心記念五浦美術館長の小泉晋弥氏(72)は、深い精神性を宿す清一の作品に触れ、「実は哲学者の西田幾多郎と出会い影響を受けていた」と明かした。神奈川県立金沢文庫主任学芸員の瀬谷貴之氏(54)は、道雄氏が歴史館退職後も精力的に研究を続けていたことを回想。奈良県立美術館長の籔内佐斗司氏(72)は、東京芸術大時代に携わった仏像修復事業を取り上げ、「道雄先生から助言を受け、学生も貴重な勉強の機会となった」と振り返った。



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