J1水戸、本拠地移転 「笠松」地元は歓迎 水戸市民「残念」「寂しい」
サッカー・J1水戸ホーリーホックのホームスタジアム(本拠地)が2026~27年シーズンに水戸信用金庫スタジアム(笠松運動公園陸上競技場、茨城県那珂市向山)に移転する発表を受け、周辺の自治体や商工関係者からは経済効果への期待など歓迎の声とともに、観客輸送や交通渋滞などの課題も挙がった。現スタジアムがある水戸市や同市民からは「残念」「寂しい」と惜しむ声が聞かれた。
「たくさんのアウェーのお客さまを茨城にお連れして、われわれがJ1に上がった効果を最大限生んでいきたい」。27日に県庁で開かれたホームスタジアム移転の会見で、J1水戸の小島耕社長は意気込んだ。
移転先周辺の自治体からは、歓迎の声が聞かれた。那珂市の先﨑光市長は「市民に勇気を与える大きなトピック」と笑顔。市内のサッカー少年・少女への影響やアウェーサポーターらによる経済効果に期待を寄せ「地元から雰囲気を盛り上げる体制を作りたい」と力強く語った。
ひたちなか市の大谷明市長は経済波及効果を期待しつつ、観客輸送の問題や交通渋滞を懸念。ホームタウン推進協議会の副会長でもあり「(ホームタウンの)18市町村には、いい影響もあれば課題も出てくる。推進協議会として連携しながら、支えられるものは支えていく」とした。
■利益につなげる
商機到来に、周辺の商工関係者からは喜びの声が上がった。
チームが試合に勝つたび、替え玉1杯分を無料にしてきたラーメン店「とんこつ家ひたちなか本店」(同市)の井坂典祐店長(42)は「笠松に来てくれるなんて夢みたい」と感激。「サービスもJ1仕様で、店一丸となって盛り上がりを後押ししたい」と声を弾ませた。
那珂市商工会の浅川清司会長は「車で来る観客が、那珂インターチェンジで乗り降りするのはチャンス。どう利益につなげるか考えたい」と話した。
■いつか戻って
一方、現ホームスタジアムのある水戸市や同市民からは、市外移転に惜しむ声が聞かれた。
同市はホームタウン推進協議会のまとめ役として、J1水戸を支える自治体や企業の輪の拡大に尽力。近年はスタジアム新設や改修を巡り、クラブとやや溝があったものの、長年にわたりともに歩んできた。
移転決定に高橋靖市長は「今後の水戸市の観光や経済に与える影響を考えると残念」とコメントを発表。「(推進協の)会長としてはもちろん、市長としてもこれまで同様、市民とともに水戸を応援・支援する」と結んだ。
ファンが集うバー「セレーネ」(同市)のマスター、田村荘一さん(67)は「寂しいけれど(新ホームスタジアムで)大勢の観客の中で試合してもらえるのはうれしい」と複雑な心情を吐露。洋食店「マロン」(同)の大塚巌店主(52)は「いつの日か水戸に戻ってほしい」と願った。











