フッ化物洗口で虫歯半減 茨城県検証 幼児や児童、有効性確認
虫歯を予防するフッ化物洗口を就学前施設や小学校などで行った幼児や児童は、未実施の施設や学校と比べて永久歯の虫歯が40~50%減ることが茨城県の検証で分かった。県内の実施率は就学前施設で約3割、小学校で2割未満にとどまる。県は「有効性を示すデータ」として周知に活用し、就学前からフッ化物洗口を実施する市町村を拡大させたい考え。
県健康推進課と県教委保健体育課によると、検証したのは有識者や歯科団体、学校、施設の各関係者でつくるワーキング会議。2021~24年の小学1年生と、25年の4年生の歯科検診データを活用した。
1年生は4~5歳児にフッ化物洗口を実施した効果を検証するため、幼稚園や保育所、認定こども園での実施率が高い4市町と低い13市町に分類。4年生は1~3年生を通して実施した11校と未実施の62校に分け、それぞれ統計手法「ポアソン回帰モデル」を用いて永久歯の1人当たり平均虫歯本数を調べた。
その結果、1年生が虫歯になるリスクは、施設実施率が低い市町村を1とした場合、高い市町村は0.61となった。4年生は未実施校の1に対し、実施校は0.52となった。
フッ化物洗口は、自然由来のフッ化物(フッ素)を水に溶かした洗口液で口内を1分間うがいする。厚生労働省によると、1回分を誤飲した場合でも「直ちに健康被害が発生することはない」としている。
文部科学省の25年度学校保健統計調査によると、茨城県で虫歯がある子どもの割合は高校39.4%、中学校30.0%、小学校32.8%、幼稚園25.0%と、いずれも全国平均を上回る。
一方、フッ化物洗口の実施率は就学前施設32.0%(25年3月末時点)、小学校15.6%(同12月末時点)にとどまる。市町村別では笠間、大洗、美浦の3市町村が施設・小学校で実施しているが、牛久、守谷、つくばみらいの3市は実施予定がないなど差がある。
県と県教委は実施率を上げるため、市町村を通じて薬剤購入費の補助や説明会の開催、教員業務支援員への報酬などで現場を支援してきた。だが実施の準備や片付けに手間がかかり、保護者への説明や経費の負担増もあって、有効性への理解は進んでいない。
県健康推進課は「フッ化物洗口は家庭の状況次第で必ずできるわけではない」として、健康格差をなくすには「施設や学校での実施が望ましい」と強調。「検証結果を用いて市町村や現場、県民の理解を広げ、取り組みを加速させていきたい」としている。
検証は、県議会が「県歯と口腔(こうくう)の健康づくり8020・6424推進条例」の改正案を昨年3月に可決したことや教育現場からの要請もあって行った。











