《国際女性デー2026》社長男女比、茨城2位 ジェンダー・ギャップ指数 水戸の不動産業社長 長久保京子さん 「差なくなりつつある」
2026年の都道府県版ジェンダー・ギャップ指数で、茨城県は経済分野の「社長数の男女比」が0.215で2位となった。子育てと仕事を両立させるため柔軟な働き方を求めて40年前に起業し、現在も現役で働く水戸市の不動産業、アールエステートの長久保京子社長(80)は「男女の差はなくなりつつある」とほほ笑む。働き方が多様化する中で、長久保さんの選択に社会が追い付こうとしている。
北茨城市出身。結婚し娘に恵まれたが、自身で生計を立てることを余儀なくされた。「私が育て上げる」と決意し、38歳で不動産会社の事務に就職した。当時の営業はほとんどが男性。娘の将来の選択肢を増やすため、すぐに宅建の資格を取得し、昼は事務、夜は営業として働いた。
不動産業は顧客と1対1でやりとりすることが多く、お互いの予定を擦り合わせながら商談を進められる。仕事の場所や時間にとらわれずに働け、「家事をしたり、学校の集まりに参加したりと調整がしやすいのではないか」と考えた。
1985年、40歳で自身の会社を設立。自身の経験を踏まえ従業員を採用する際には、仕事を調整しながら子どものために働いてほしいと伝えてきた。
周囲で働く女性や女性社長が増えていくのを肌で感じてきた。「『女性だからできない』ということはなく、男女の差はなくなりつつある」。一方、出産や子育てなど女性が担っている仕事は多いと指摘する。
近年は働き方が見直されてフレックスタイムやリモートワークが普及し、ライフスタイルに合わせた多彩な働き方が選べる社会に変化し始めている。「家族や周囲の力を借りながら、自分のしたいことを目指していってほしい」。多くの女性にエールを送る。
■事業承継や融資制度背景 15年間で5.7倍、1万5327人
都道府県版ジェンダー・ギャップ指数の「社長数の男女比」は2025年の4位からさらに順位を上げた。東京商工リサーチによると、同年の茨城県女性社長数は1万5327人で、調査が始まった10年の2677人から15年間で5.7倍に増えた。茨城大人文社会科学部の清山玲教授は、「高く評価する」と女性社長の増加を歓迎する。
増加の背景について清山教授は、経営者の高齢化に伴う事業承継で女性が後継者に着任する可能性が増えたことや、女性躍進の機運の高まりを受け新規創業者が増加したことを挙げる。県の女性向け創業融資や国、経済界による伴走型相談支援の後押しもあり「こうした取り組みの効果が表れ始めている」と分析する。
一方で、企業や法人の役員・管理職の男女比は0.171の27位と、順位に開きがある。出産・育児期は時間面の制約から男性に比べ昇進が遅れやすく「この時期に経験が停滞しない人事上の工夫が重要」と指摘する。
さらなる女性躍進に向けては、評価を労働時間ではなく職務遂行能力や仕事の質で行い、労働時間や働く場所の選択肢を広げるなど「子育て、介護とキャリアを両立できる職場づくりが求められる」とした。
同指数の「社長数の男女比」は、男性社長数を1として算出し、指数が「1」に近いほど平等を表す。










