《東日本大震災15年》帰還願い、姉妹熱唱 福島から茨城県に避難 守家さん・城下さん 故郷・双葉町でコンサート
東京電力福島第1原発事故により福島県双葉町から茨城県つくば市に避難している歌手、守家(もりいえ)文子(あやこ)さん(67)が妹の城下(しろした)和子さん(58)と8日、同町の東日本大震災・原子力災害伝承館でミニコンサートを開いた。原発事故を伴った東日本大震災から間もなく15年、離れざるを得なかったふるさとを思い、歌った。
守家さんと城下さんの自宅は福島第1原発が立地する双葉町内にあり、帰還困難区域のままだ。保育士の城下さんは同県古河市に避難する。
姉妹は25年前に地域のカラオケ大会での優勝を機に、仲間たちグループと老人福祉施設へ慰問し、現在も福島県内の施設を訪れる。守家さんがメインボーカルで城下さんは主にコーラスを担当する。
守家さんは2年前に歌手デビューを果たし、双葉への思いを歌詞に込めた曲も歌う。昨年5月には伝承館で福島県出身の俳優で故・西田敏行さんをしのぶコンサートを開き、西田さん本人の曲を披露した。「大好きな歌で被災者を勇気づけたい」と震災から15年を迎えて、同地で再びマイクを握った。
この日は、津波が来襲した海を背にするステージに立った。福島県いわき市内の老人ホームに入所する母・ミツさん(90)も呼び、歌仲間や友人、親族、入館者を前に熱唱した。守家さんの息子・門馬よし彦さん(46)のバンドも駆け付けた。
守家さんは司会として曲の間のトークで何度も「感謝」と「未来」を口にした。約1時間の公演の最後は、守家さん作詞、門馬さん作曲の新譜「すべてにありがとう」で締めくくった。「故郷よありがとう」「旅は続いていく家族との未来へ」と歌い、郷里と将来に思いを募らせた。
終演後、守家さんは「母親含め双葉のみんなに育てられたことに感謝を示したかった」と話す。
避難解除の見通しは立たないが、帰還を諦めていない。年に数回、墓参も兼ねて自宅の様子を見る。築30年近いわが家を解体するか決断はできていないが、「一歩ずつ踏み出して双葉に帰れるよう努力したい」と自らに言い聞かせた。
コンサート中にも見知った顔触れに呼びかけた。
「みんな戻ってこれるといいね」
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福島県から県外への避難者数は1万8996人(2月1日時点)で、茨城県は都道府県別で最多の2142人に上る。











