《東日本大震災15年》避難者に絵届け交流 水戸の美術団体 記憶継承、原画を展示 27日まで 茨城
イラストレーションを中心に創作活動する茨城県水戸市内の美術団体が、東京電力福島第1原発事故で茨城県に避難した人たちと絵を通じた交流を続けている。メンバーは季節の花や風景、かわいらしい動物を描いてカレンダーを制作。古里を離れた人たちの心を照らそうと、プレゼントを続け、避難者向けの情報誌の表紙も担ってきた。震災の記憶をつなごうと、茨城新聞みと・まち・情報館(同県水戸市南町2丁目)の展覧会「笑顔をつなぐイラストレーション」で原画約40枚を展示している。27日まで。
出展しているのは、パステル画家の七字純子さん(59)が主宰する「アートポケットラボ」。七字さんの絵画教室の元生徒たちと約20年前に立ち上げた。色鉛筆やコンピューターグラフィックス(CG)、紙粘土、パステルなどを使い、幅広い作品を制作している。
2011年末、「絵で被災した方たちの力になりたい」との思いから、七字さんらは、知人や茨城NPOセンター・コモンズ(同市)の協力を得て、自分たちの作品を基に福島県南相馬市と同県いわき市の被災者にカレンダー500枚を届けた。「2012年が穏やかで明るい1年になりますように」とメッセージも添えた。
翌年以降は被災者に届けるつてもなく、3年余り支援は途絶えたが、水戸市の一般社団法人「ふうあいねっと」(原口弥生代表理事)と出会い、再び被災者とつながることができた。
福島県からの避難者らを支援する同法人の避難者向け情報誌「ふうあいおたより」の表紙を七字さんらが、16年から21年までの6年間、担当した。
表紙を飾ったのは、福島県の郷土料理「こづゆ」や玩具「赤べこ」、名産品のリンゴ。季節に合わせ、夏には縁側でスイカを頬張る子ども、秋には紅葉のほか、ほっこりする絵柄の犬やカエル、「元気」の花言葉の「スカシユリ」も並んだ。柔らかいタッチに、原口代表理事は「かわいらしい絵柄で、読んだ方々から反響があった」と話す。
初回を担当した七字さんは、金子みすゞさんの詩「浜の石」を題材にした。津波で被害を受けた人の苦しみを思うと葛藤もあったが、「故郷の海にいろいろな思い出があったはず」と柔らかなタッチと色合いで、石を主役に海も描いた。
カレンダーも、16年分からはふうあいねっとを通じて、茨城県に避難している人たちに毎年70~100枚ほど無料で届けている。
入場無料。開館は平日午前10時~午後5時。同館(電)029(306)9500。











