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茨城・石岡市長不信任可決 谷島氏「ボタンかけ違い」 失職、解散 23日以降決断

記者会見する石岡市の谷島洋司市長=19日午後6時45分ごろ、同市役所
記者会見する石岡市の谷島洋司市長=19日午後6時45分ごろ、同市役所


茨城県石岡市議会定例会本会議で19日、谷島洋司市長(63)の不信任決議案が可決されたのを受け、谷島市長は同日夜に市役所で臨時会見を開いた。議会と決裂に至った要因の一つとして、就任直後からコロナ禍で議員との対面での交流が制限され「ボタンのかけ違いが起きた」と主張。失職か議会の解散かの判断は、市民生活への影響を最小限にとどめる選択をしたいとし、23日以降の早い段階で決断する意向を示した。

谷島市長は会見会場に重い足取りで現れると、議会の重い審判に「ボコボコでヘトヘト」とかすれた声で本音を漏らした。

緊急動議で不信任の決定打とされたのは、屋外トイレ建設事業を巡る設置反対派市民との会合での発言。「議会が強くて止めさせてくれない」などと議会に責任転嫁したとされることに対し、「発言の一部を切り取られた。議会も認めた事業であると市民に説明し、納得してもらうための表現。誹謗中傷の意図はない」と強調した。

議会と決裂に至った根源については「最大の要因は就任直後からコロナ禍で、対面での(議員との)交流が制限されてしまい、ボタンのかけ違いが起きたことにある」と説明。「制度として、もっと密な情報交換や意見交換の場をつくるべきだった」と、苦渋の表情を浮かべた。

自身の職務に関しては「就任以来、石岡を良くしたい一心で取り組んできた。議会とは『車の両輪』として向き合い、予算案なども認められてきた自負がある」と語った。

10日以内の決定が求められる自身の失職か議会の解散は「市民生活に最小限の影響になるような選択を考えたい」とし、後援会などと協議の上、週明けの早い段階で決断する意向という。

《解説》繰り返される「拒絶」

茨城県石岡市議会が市長不信任を突き付けた。背景には、長年にわたって市政停滞を招いてきた市と議会の対立があるとみられ、混乱は極限に達した。

歴代3代の市長が掲げる重要施策を議会が「拒絶」してきた歴史が物語る。2004年に当時の横田凱夫市長は合併議案を巡り、議会の猛反発を受けて撤回を余儀なくされた。続く今泉文彦市長も19年に子育て支援施設の予算案が否決され、翌20年には地域医療計画も頓挫。結局、引責辞任に追い込まれた。

谷島洋司市長も流れを変えられなかった。総事業費100億円を超える複合文化施設整備は建設地を巡り議会と対立。計画は2度にわたって白紙になった。議会前に屋外トイレ建設に反対する市民と対話した際、予算案の責任を議会に転嫁したとされる市長の言動が、議員の不信感が爆発する要因となった。

本来は市政運営の両輪となるべき市長と議会だが、石岡市の場合、一方がアクセルを踏めば一方がブレーキをかける「対立の構図」が見える。20年以上続く機能不全のつけを払うのは他ならぬ市民だ。負の連鎖を断ち切れるか、市はかつてない正念場に立っている。

■賛成議員 「資質なし」不信募る

谷島洋司市長への不信任決議の討論は、市長の資質を根本から問う厳しい言葉が次々と投げ付けられた。

「不信感は今に始まったことではない」。賛成討論に立った議員は、1期目就任直後の市庁舎爆破予告時に市長が葬儀参列を優先した問題を挙げ「当初から危機感を感じていた。資質が決定的に欠けている」と断じた。

ほかにも「議会で『対話を進める』という言葉は何度も聞いたが一向に進まず、市の名誉と誇りを汚している」「将来的なビジョンがない」「街づくりは停滞どころか後退している」と、谷島市長の政治姿勢を痛烈に批判する声が相次いだ。

一方、決議に反対した議員は「市政の混乱は市民の不利益」と安定を訴えたが、溝は埋まらなかった。可決直後には賛成した13議員が一斉に退席し、議場には反対した3議員のみに。副市長人事などの追加議案は定足数割れで廃案に追い込まれた。

長年の確執が招いた「空っぽの議場」に、傍聴席からは「いつまで何をやっているんだ」と市民の深いため息が漏れた。

■市政と議会、対立6年

2020年の1期目の市長就任から6年。谷島市政は常に議会との不協和音の中にあった。

対立の端緒は就任わずか3カ月、庁舎爆破予告当日の葬儀参列が「責任感欠如」と指弾されたことにさかのぼる。大型事業で24年の2期目の市長選で争点となった複合文化施設整備は、22年の調査費否決、24年の建設案白紙化と、議会の拒絶によって迷走を続けた。市長が掲げるまちづくりの取り組みに対し、監視機能を盾とする議会がブレーキをかけ続ける構図が定着した。

相次ぐ職員の不祥事と責任の所在を巡る攻防も対立の溝を深くした。24年の消防職員による偽札事件を機に1度目の辞職勧告が決議されると、翌年には民間イベントでの運動施設使用料の不適切な免除問題として市長の給与30%減額が可決された。市長は再議を申し立て抗戦したが、議会は譲らず、対話の窓口は事実上閉ざされた。

そして両者の歩み寄りは最後まで空転し、不信任案の可決という最悪の結末に。市政の「両輪」は修復不能となった。



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