鹿島臨海工業地帯 脱炭素へGX産業創出 茨城県、国際競争力を強化 次世代エネ拠点集積
茨城県は鹿島臨海工業地帯の脱炭素化へ向け、グリーントランスフォーメーション(GX)産業創出の推進に乗り出す。水素やアンモニアなど次世代エネルギーを供給する産業拠点の集積を図り、国際競争力を強化する。先進技術を活用した設備の保安体制構築も進めるなど、施設の老朽化を背景とした維持管理を円滑化し、生産基盤の安定化を目指す。
県や立地企業などでつくる競争力強化会議が3月、2026年度から5カ年の「鹿島臨海工業地帯の競争力強化へ向けた将来ビジョン」を改訂した。50年度に温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を見据えたGX産業の創出推進を掲げたほか、生成AI(人工知能)などを生かしたスマート保安の体制構築も盛り込んだ。
GX産業創出へ向け、鹿島港を中心に次世代エネルギーのサプライチェーン(供給網)構築のための貯蔵や供給インフラを整備し、関連企業の誘致を図る。地元自治体や立地企業と連携し、プラスチック廃棄物の広域回収による再資源化を進めるほか、バイオマス資源を活用した燃料製造産業の実用化も目指す。
スマート保安では、生成AIやドローン、デジタルトランスフォーメーション(DX)などを活用した施設や設備の維持管理を進める。同工業地帯では施設老朽化や管理者の高齢化に伴う労働力不足などが課題となっていることから、先進技術を活用することで保安業務の効率化を進める。来年度には「DX推進検討会」を立ち上げ、官民連携の取り組みを進める方針。
県は21年に企業と連携し「いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出推進協議会」を設立。県内港湾などを中心に、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を発生しない燃料アンモニアの供給拠点構築とサプライチェーンの整備を目指す方針を掲げていた。
石油化学工業や鉄鋼業などの分野では、国際的な競争力激化や国内生産設備の再編統合が続いている。県地域振興課は「鹿島は重要な製造業が集積するエリアで、県全体の発展にも大きな影響がある。今後も存在感ある工業地帯として生き残れるような取り組みを進めたい」としている。










