闘病の子に寄り添う犬 筑波大病院、27年に開始 CFで運営費募集 茨城
小児がんや重い病気の治療と向き合う子どもたちの心のケアのため、筑波大付属病院(茨城県つくば市天久保)は、治療に寄り添う専門的なトレーニングを受けた犬「ファシリティドッグ」を県内で初めて導入する。2027年を予定し、運営費などをクラウドファンディング(CF)で募っている。同病院は「子どもたちの大きな力になる」と効果に期待を寄せる。
「かわいい。気分が上がる」。同病院で4日、ファシリティドッグによる実演があり、陽子線治療を予定する同県鹿嶋市の中学1年生の女子生徒(13)は表情を緩めた。
登場したのは、他病院での活動に向けて訓練中のミコ(ラブラドルレトリバー、雌3歳)。体に顎をのせたり、寄り添ったりして和ませた。女子生徒は「小さい子は治療が怖くなくなると思う」と話した。
米国発祥で、日本では現在、こども病院を中心に4病院で導入されている。筑波大付属病院の小児病棟の利用者数は延べ1万3873人(24年度時点)。25年8月には陽子線の新治療棟を開所し、小児がん治療などに力を入れる。
同病院で導入するファシリティドッグは、認定NPO法人「シャイン・オン!キッズ」(東京都)が約2年かけて子犬から育成する。犬種はラブラドルレトリバーかゴールデンレトリバーになる見込みだ。
「ハンドラー」と呼ばれる看護師とペアで活動し、小児病院で週5日間、勤務する予定という。
同NPOによると、朝はハンドラーと共に病棟へ出勤し、医療スタッフとハンドラーがその日の活動内容を決める。治療に向かう子どもの付き添いや、入院中の子どもとの触れ合いなどだ。1時間活動して1時間休憩するサイクルで過ごし、夕方はハンドラーと共に自宅に帰る。
27年の導入に向けて、同病院は5月1日まで、ハンドラーの人件費を含む運営費など3500万円をCFで募集している。既に第1弾で犬やハンドラーの育成費などとして募った2200万円は達成した。
ファシリティドッグは約7年間の勤務を見込み、運営費は計約1億円になる見込みだ。CF終了後も継続して企業や個人から寄付を募り、運営費に充当する考えだ。
平松祐司病院長は「治療と向き合う子どもたちにとって、大きな力となる」としている。
★ファシリティドッグ
英語の「Facility(施設)」と「Dog(犬)」を組み合わせた言葉で、がんや重い病気と向き合う子どもに寄り添う専門的な訓練を受けた犬を指す。子どもの心理的負担軽減を目的に「ハンドラー」と呼ばれる看護師とともに病棟で活動する。採血や点滴などの検査や治療の応援、手術室やリハビリテーションへの付き添い、不安な時の添い寝などをすることで安心感を与え、心のケアにつながるとされる。











