茨城県、ひとり親世帯に支援員 26年度 子送迎や家事代行
経済的に困窮するひとり親世帯の利用を念頭に、茨城県は来年度、臨時の家庭生活支援員を無償で派遣する独自の事業に乗り出す。子どもの送迎や一時的な預かり、家事の代行を通じて、ひとり親に正社員への転換や資格取得を促す。現状を打開できる機会をつくり、ひとり親世帯の自立を後押しする。
対象は18歳以下の子どもがいる県内在住の母子家庭や父子家庭。所得などの制限は設けないが、主に低収入世帯の利用を想定している。子どもが小学生以下の場合は最大で96時間、中学生以上は24時間、それぞれ利用できる。
ヘルパーやベビーシッターを派遣している民間事業者に事業を委託する方針だ。家庭生活支援員は利用者の要望を受け、幼稚園や保育園など就学前施設や小学校への子どもの送迎、帰宅が遅くなるなどした場合の一時的な預かりを行う。清掃や食事といった家事の一部も代行する。
2020年の国勢調査によると、県内のひとり親世帯は2万6000世帯で、このうち母子家庭が約2万2000世帯、父子家庭が約4000世帯。母子家庭のうち、約4割の世帯がパートや契約社員などの非正規雇用で、県は「生活基盤が不安定な状況に置かれている」と指摘する。
今回の事業で負担が軽減されることにより、ひとり親がより収入の高いフルタイム勤務や、より収入の高い仕事に就くための資格が取得できる環境を整える。県は5月を目途に事業者を選定した上で、今夏にも事業を始める考えだ。
事業費は2億600万円。重点的に取り組む「多様な人財」の項目の一つとして、26年度当初予算に盛り込んだ。県ホームページや交流サイト(SNS)、広報誌、県民センターや市町村の相談窓口など多様な手段で周知を図る。
2月の記者会見で、大井川和彦知事は「社会で最も弱い人たちを底上げし、人間らしい生活を子育てしながら両立できる社会をつくる」と強調。県青少年家庭課は「事業をより良くするため、実績を重ねたい。今後の別の展開にもつなげたい」とし、広く利用を呼びかける意向を示した。










