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難病家族の姿追う ドキュメンタリー映画 都内や茨城・那珂で上映 監督「幸せの形それぞれ」

ドキュメンタリー映画「ライフテープ」を制作した監督の安楽涼さん=水戸市笠原町
ドキュメンタリー映画「ライフテープ」を制作した監督の安楽涼さん=水戸市笠原町


国の指定難病「メンケス病」患者の茨城県内男児と両親を追ったドキュメンタリー映画「ライフテープ」が完成し、東京都内の映画館で28日、上映が始まる。生まれつき銅が欠乏し、次第に寝たきりになる病気で、発症は12万人に1人。親夫婦は悩み苦しみながらも、わが子に目いっぱいの愛情を注ぎ、笑いながら日々を過ごす。カメラを回した監督の安楽涼さん(34)は「幸せの形はそれぞれある」とし、困難な状況でも幸せになれることを作品で伝えたかったという。4月下旬からは同県那珂市「あまや座」でも上映される。

映画に登場するのはメンケス病の珀久(はく)くん、県内に暮らす父親でダンサー・音楽アーティストの隆一さんと母親の朱香さん、飼い猫1匹。映画序盤で、珀久くんは生後約10カ月で飲み込む力がなく、首もすわらない。多い時には数分ごとにたんを吸引し、6日に1回は銅の注射を受けていた。終盤には珀久くんの体の機能が低下し、家族は大きな手術を決断。困難に直面する中でも笑顔は絶えず、家族が見いだした幸せな日常は続く-。

「幸せな家族の姿を撮ってほしい」。珀久くんが生まれて半年ほどたった頃、一緒に自主映画を撮影したこともある幼なじみの隆一さんから、安楽さんに話があった。

撮影期間は約2年。無理に聞き出すことはせず、家族から言葉が出るのを待った。そんな姿勢もあり、珀久くんが生まれた当初に夫婦2人で抱え込んでいた苦しさなど、ありのままの心情が語られている。

当初は上映の当てがなく、1年間かけて満足のいくまで編集し、1時間41分にまとめた。「難病の家族がたくさんいて、幸せの形もそれぞれある。(誰もが)自分たちで幸せになれるのだと伝えたい」。作品には隆一さんと安楽さんの思いが込められた。

東京都内の映画祭で昨年入賞し、縁あって上映が決まった。28日に東京都渋谷区の映画館「ユーロスペース」で封切りし、県内では4月25日に那珂市瓜連の「あまや座」で上映が始まる。

「重い気持ちで見なくても大丈夫。ぜひ茨城の人に見てほしい」。安楽さんは、地元の人たちが気軽に作品に触れることを願う。

★メンケス病

食事で摂取した銅が体内に吸収されない遺伝性疾患。発症率は12万人に1人で、ほぼ男児のみに発症する。銅が必要な酵素が働かなくなり、さまざまな症状が出る。発達の遅れや退行、けいれんが見られ、次第に寝たきりになる。肺や血管、尿路、消化器、骨などに異常が起こるとされる。



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