茨城県保有地、含み損解消へ 地価上昇、税収増 計画前倒し進む
2010年に破産処理した茨城県住宅供給公社や売却に至っていない工業団地など、09年に約2000億円まで膨らんだ県保有土地の含み損に当たる「実質的な将来負担」が、本年度末で解消する見通しとなったことが28日、分かった。地価上昇による負担額の目減りや県税収入の増加などで20年に及ぶ計画の前倒しが進んだほか、残った地方債の償還が月内に終了する。
県住宅供給公社による水戸ニュータウンなど郊外型の大規模住宅団地開発やつくばエクスプレス(TX)沿線開発などに伴う県の保有土地は、09年時点で1594ヘクタール。バブル期に購入した土地はその後、地価が大幅に下落。県は同年、計8事業で膨らんだ負債額を簿価から時価に見直した上で、資産を差し引いた「実質的な将来負担額」を1890億円と算出した。
将来負担額の主な内訳は、県出資団体で県住宅供給公社の384億円に加え、県土地開発公社の80億円、県開発公社の105億円。県による区画整理事業では、TX沿線開発が528億円、阿見吉原地区が65億円、桜の郷が42億円に上り、ほかに公共工業団地事業の428億円、港湾臨海土地造成の242億円が含み損となっていた。
県は県議会と議論を重ね、将来負担の解消に向け毎年度当初予算に約100億円の対策額を計上、約20年の計画で負担を平準化した。破産処理した県住宅供給公社の負債については、地方財政法の特例に基づく地方債を活用した「第三セクター等改革推進債」を10年度に発行。当初の計画通り、本年度末で償還を終える。
一方、TX沿線開発に伴う負担額は沿線人口の増加による好調な住宅販売や地価上昇などを背景に、当初計画から5年前倒しした24年度で対策を終了した。また、景気の回復基調や県税収増などの影響で、土地開発公社や桜の郷整備事業は12年度にそれぞれ負担額が解消。公共工業団地の負担額も同年度に17年前倒しして解消した。
県財政課は「長く茨城県の課題となっていた保有土地対策が本年度で終わり、区切りが付く。県のさらなる発展に向け、人口減少対策など新たな施策に積極的に挑んでいきたい」としている。
★県住宅供給公社
茨城県の住宅政策実施機関として1965年に設立。高度経済成長期の旺盛な住宅需要に対応し、水戸ニュータウン地区(同県水戸市、城里町)など、郊外型の大規模住宅団地開発を手がけた。一方、バブル期に購入した土地の処分が進まず、2010年には全国初の破産を水戸地裁に申請し、その後に解散。当時の負債は県からの借入金278億円を含む総額523億3700万円。県議会の調査特別委員会などの議論を踏まえ、県は「第三セクター等改革推進債」を活用し、15年間の期間を設けて償還してきた。










