水害復興の証し 成長サクラ、感謝伝えたい 水戸・漫遊堤 地元自治会20年越し 協力27自治体へお礼企画 茨城
茨城県水戸市水府・青柳地区の那珂川沿いの堤防に咲くサクラ並木「黄門さんの漫遊さくら堤」。二十数年前、水害からの復興の証しとして全国から寄贈を受けたサクラが咲き誇る。地元の「三の丸自治コミュニティ連合会」(渡辺政明会長)が市と連携して育て、市内の名所の一つとなった。「20年の時を経て立派に育ちました」。協力してくれた各自治体に感謝を伝えようと、同連合会が写真を添えたお礼の手紙「サクラ便り」を送る計画を進めている。
同地区は、1998年の那珂川氾濫で大きな被害を受けた。その後、堤防が整備され、新たなまちづくりがスタートした。
その記念として2003年、北海道から鹿児島県まで全国27市町村の名所から苗木の寄贈を受けた。水戸藩2代藩主、徳川光圀公にちなみ、「黄門さんの漫遊さくら堤」と命名。同連合会を中心に地元住民の手で植樹祭を行い、地域のシンボルとして大切に育てられている。
青森・弘前市のソメイヨシノ、愛知・一宮市のヒガンザクラ、奈良・吉野町のシロヤマザクラ、長崎・大村市の八重桜など、いずれも由緒ある名木ぞろい。約200メートルにわたって堤防沿いに植えられ、春になると全国の多種多様な品種が競うように咲き誇る。茨城県茨城町大戸の国指定天然記念物「大戸のサクラ」も植えられている。
同連合会は、二十数年越しに感謝の気持ちを伝えようと、サクラの写真を添えてお礼の手紙を送ることを企画。「20年以上、お礼を言うことができず、ずっと心苦しかった」と渡辺会長。苗木が定着して花を咲かせるまで長い時間がかかったといい、「ようやくいい報告ができる。これで肩の荷が下りる」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。
水戸黄門の演劇を通して水戸の魅力創出や地域間交流に取り組む一般社団法人「水戸葵社中」の協力を受け、3日に撮影会が開かれた。同法人の滑川善也代表理事が水戸黄門に扮(ふん)して、サクラと一緒に写る演出を施した。
滑川代表理事は「素晴らしい取り組み。水戸黄門とサクラがつないだご縁に感謝したい」と満開の笑顔。市公園緑地課は「多くの人の力添えで、きれいなサクラを見ることができる。水戸の名所の一つとして市民らの憩いの場になっている。これからもしっかりと管理していきたい」としている。
手紙は4月中にも送る予定。渡辺会長は「たくさんの思いが詰まったサクラ並木。これからも末永く満開の花を咲かせ続けたい」と話した。










