次の記事:潮干狩り中の男性死亡 茨城・大洗 

高校野球DH制 茨城県内、春季大会から導入 投手の負担軽減 活躍の場拡大の声も

高校野球の変革
高校野球の変革
3月の大学との交流戦でDH制を使用した茨城の打者(右)=3月20日、水戸市見川町のノーブルホームスタジアム水戸
3月の大学との交流戦でDH制を使用した茨城の打者(右)=3月20日、水戸市見川町のノーブルホームスタジアム水戸


高校野球が、大きな転換点を迎えている。今春から公式戦で導入された「指名打者制(DH制)」。茨城県でも8日開幕の春季県大会地区予選から運用が始まる。1人の選手が投打を支える「エースで4番」の姿は、過去のものになりつつある。背景にあるのは、過酷な連戦から投手の体を守ること、そして、より多くの選手に活躍の場を広げるという二つの狙いだ。

■プラス面大
DH制は、投手に代わって打撃専門の選手を攻撃時に起用できる制度。土浦日大の小菅勲監督(59)は「最大のメリットは、投手の疲労軽減。特に夏になれば、その効果を肌で感じるはず」と新ルールの意義を強調する。

これまで投手は投球に加え、出塁すれば全力疾走。死球による負傷リスクもあった。タイブレーク制や球数制限に続き、DH制を導入することで、選手の身体を守る姿勢が鮮明になった形だ。

境の間中大介監督(42)は「プラスに働く面の方が大きい」と導入を歓迎している。

■32校中26校
教育現場としては、選手の「出場機会の創出」が大きな意味を持つ。明秀日立の金沢成奉監督(59)は「うちは打撃が得意な選手が多い。DH導入は大歓迎」と意欲を見せる。守備に課題があっても、打撃に秀でた選手が〝10人目のレギュラー〟として公式戦の舞台に立てるからだ。

監督の采配の幅も広がる。今春の全国選抜大会(甲子園)では、1回戦で出場32校中26校がDH制を使用。優勝した大阪桐蔭は「4番」に、4強の専大松戸(千葉)は「9番」にDHを据えた。八戸学院光星(青森)は出場校で唯一、先発投手が降板後も打者として残れる通称「大谷ルール」を適用し、戦術の新機軸を示した。

■私立に有利
一方で、課題も浮かび上がる。選手層の厚い私立校に対し、部員不足に悩む公立校との戦力格差が広がる懸念だ。藤代の菊地一郎監督(55)は「私立に有利なルールなのは事実」と認めつつも、「選択肢が広がるのは喜ばしい。夏までにDH専門の選手を育てる」と、限られた戦力で新ルールを逆手に取る戦略を描く。

「守備からリズムをつくる選手もおり、どの選手がDHに適しているのか見極めが難しい」と、現場ならではの苦悩を吐露するのは、水戸葵陵の金崎裕哉監督(42)。3月の大学との交流戦で、早速DH制を試した茨城の岡部将也監督(36)も「まだ手探りの段階」と現状を明かす。現場の模索を伴いながら、令和の高校野球が幕を開ける。



最近の記事

茨城の求人情報

https://cpt.geniee.jp/hb/v1/207318/39/instbody.min.js"