つくばに東大発宇宙ベンチャー 衛星エンジン生産へ 地域経済発展に意欲 茨城
水を推進剤とする小型衛星用のエンジンを開発する東京大学発の宇宙ベンチャー「Pale Blue(ペールブルー)」(千葉県柏市)の生産拠点が、茨城県つくば市上河原崎に完成した。記念式典が8日、同所で開かれ、同社関係者や大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長など約30人が集まり、テープカットして稼働を祝った。同社の浅川純代表取締役は「新たな雇用や投資の機会を通じて、茨城やつくばの経済発展に寄与したい」と意気込みを示した。
同社は2020年、東京大で航空宇宙工学を研究していた卒業生ら4人が、柏市で創業。小型衛星向けのエンジンの開発と製造を手がける。宇宙空間の軌道上で、水イオンを推進剤としたエンジンの作動に世界で初めて成功し、安全性やコスト効率が高く、世界的に評価されている。近年は宇宙航空研究開発機構(JAXA)やソニーと連携。同社のエンジンを積んだ人工衛星を宇宙に飛ばし、技術の実証に取り組む。
つくば市は、柏市の開発拠点からの交通アクセスが良く、宇宙開発を巡る関係機関と近いことが生産拠点を構える上で決め手となった。同拠点ではエンジンの製造から出荷までの全行程を担う。宇宙で使うエンジンを地上で検査するため、チャンバー(真空密閉装置)や振動試験装置など必要な機器を完備している。需要が高まる人工衛星のエンジンについて、納期の短縮を実現し、量産を目指す。
県は2024年、「県企業立地推進補助金」の対象として同社を認定、1億5000万円の補助を予定している。補助について、県は宇宙開発の推進のほか、県内での新規雇用の計画などから判断したという。
この日の式典で、大井川知事は「水を使ったビジネスなど宇宙開発は新たな段階に入っている。つくばという地域を生かした宇宙ビジネスの貢献に期待したい」と同社関係者を激励した。浅川氏は「つくばには世界に誇る宇宙開発の知見が蓄積されている。世界の宇宙産業をリードする拠点にしたい」と意欲を見せた。









