一橋家資料「動物」に注目 国重文29点も 馬の絵巻やリスの絵図 茨城県立歴史館 11日開幕
古くから身近な道具のモチーフとされてきた動物に注目した企画展「いきもののかたち」が11日、茨城県水戸市緑町2丁目の県立歴史館で開幕する。馬が描かれた絵巻や刀装具、子孫繁栄の祈りが込められたリスの絵図など、国指定重要文化財29点を含む一橋徳川家の資料80点超を展示している。同展は6月7日まで。
一橋徳川家は8代将軍吉宗の四男、宗尹に始まり、11代将軍家斉や15代将軍慶喜を出したことで知られる。文書や書画、器物など同家の資料群約6000点は1984年に県へ寄贈され、このうち約4700点は2020年に国重文の指定を受けた。
今回は同家資料のうち、室町-明治時代を中心とした制作で、さまざまな動物が描かれたり、かたどられたりした絵図や刀装具、陶磁や石印、置物などの調度品を集めた。
江戸時代初期に活躍した絵師、狩野探幽(1602~74年)が手がけた「牟礼(むれ)高松図」(国重文)は、源平の戦いで平氏を追う源義経を描いた作品。右前脚を高く上げて駆ける馬の姿が、力強く厳かに表現されている。
一方、探幽の父、孝信がモンゴル系の遊牧民族を題材にした「韃靼(だったん)人騎馬図」(同)の馬は軽快な描写が際立つ。風になびくたてがみや前後に大きく広げた脚の形で疾走感を強調。脚の筋肉を描き込むことで、長距離移動に耐える持久力を伝えている。
このほか、産む子の多さから子孫繁栄の象徴となったリス、豪勇なイメージから鑑賞用のモチーフとして武士に好まれた獅子やタカ、縁起物とされるツルやカメ、ペットとして親しまれた犬、猫などをかたどった品が会場を彩る。
同館学芸員の蔀(しどみ)政人さんは「馬は戦や農耕、移動に用いられた身近な存在で、多くモチーフになった」と説明。「名品ぞろい。きれい、かわいい、かっこいいなど気軽に見てほしい」と語った。










