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「40キロ痩せたのに」幸せになれない…壮絶な実体験マンガに反響、作者が明かすコンプレックスとの共存

(左から)ダイエット前と、40キロ痩せたあとのやじまりさん(@musclenadao)


 93キロから52キロと、40キロ以上の減量に成功したイラストレーター・漫画家のやじまりさん(CHOCOLATE Inc./@musclenadao)が、実体験を描いた漫画『40キロ痩せてから思うこと』がTwitterで話題に。痩せて新しい人生を歩き始めたはずなのに、恋人から言われた一言で「痩せてる自分じゃないと人に愛してもらえない」と激しい自己矛盾を抱く――という内容だ。投稿されるや、8万のいいねを集め、ユーザーからは多くの共感の声、“見た目差別”への疑問などが寄せられた。本作への想いや、自らの写真を公開した考えなど、やじまりさんに話を聞いた。



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■「痩せてる今の君と会えてよかったよ」、恋人の言葉に心身ともにさいなまれ…



――Twitterで話題になった漫画『40キロ痩せてから思うこと』は実体験だそうですが、描こうと思ったきっかけは?



【やじまりさん】痩せてから、自分が恋愛している最中も、恋愛漫画を描く時も、なにか違和感というかモヤモヤがありました。なぜだろう?と考えた時、自分のコンプレックスが浮かび上がってきたんですね。それを紐解いたら、自分の気持ちに素直に恋愛漫画を描けるのかなと考え、自分のカウンセリングも兼ねて描いてみようと思ったのがきっかけです。



――逆に太っていた時は、恋愛漫画を描くのに違和感はなかったんですか?



【やじまりさん】そうですね。私は中・高が女子校で異性の目を感じたことがなく、少女漫画への憧れがすごくありました。太っていた時期は、そうやって恋愛漫画も“ファンタジー”として描けていたんですが、一方で「自分とは違う」と、漫画の内容と距離をとっていた部分もありました。ただ、今度は自分が痩せて恋愛経験も増えてくると、変にリアルに思えて、気持ちが悪く感じてしまったんです。



――本作では、恋人の「痩せてる今の君と会えてよかったよ」という言葉で、大きな葛藤を抱え、心身ともにさいなまれていく場面が描かれています。望みどおり痩せたのに幸せになれない…そんな内容に、「わかりすぎる!」「私もそうでした」といった多くの共感の声が寄せられました。



【やじまりさん】正直、こんなにたくさんの反応をいただけるとは思ってなくて。自分の心の中を描いたつもりだったので、「同じ悩みを持つ人って、こんなにもいるんだ」と驚いたし、「自分だけじゃないんだ」と心がラクになりました。同じ症状に苦しんでいる友人からも連絡があって、そういう人は予想以上に多いんだと感じましたね。



――恋人からそう言われたのは、実体験ですか?



【やじまりさん】はい。向こうは悪気があったわけじゃないと思うんです。ただ、私自身が太っていた頃に「私は太っているから恋愛しちゃいけない、カワイイ服も着ちゃいけない」と思い続けてきたので、それを実際に人から言われてしまうと、一気に現実感が出るというか…。



――Twitterのコメントにも、「見た目差別」「外見至上主義」への疑問が多くありましたが、やじまりさん自身は感じたことは?



【やじまりさん】健康を気遣ってくれて「痩せた方がいいよ」と言われたことはありましたが、傷つけられる言葉はとくに言われなかったです。それよりも、自分で自分を差別して、攻撃していたと思います。



――漫画だけでなく、痩せる前と痩せた後のご自身の写真もTwitterで公開しています。ためらいはなかったですか?



【やじまりさん】なかったです。漫画とは別に、「40キロ痩せるのは大変なことなんだから、努力した自分の姿を見てもらいたい」という気持ちがありました。見た目もそうだけど、痩せてから表情も明るくなったし、「自分に優しくする」ことへのフットワークが軽くなりました。心の垢みたいなものが取れて、それが立ち姿などにも表れているのかなって思います。



――93キロから52キロに減量したとのことですが、どんなふうに成し遂げたんですか?



【やじまりさん】21歳の頃に、3ヵ月で20キロ落としたんですが、そのときは無理もしてしまっていて。3ヵ月で一旦ストップしたんですが、その1ヵ月後に異常なくらい髪が抜けたんです。調べてみたら、ダイエットによる栄養失調だったようで…。よく「健康的なダイエットをしなさい」と聞くけれど、それを身をもって実感しました。



――それは大変でしたね。その後は無理のないダイエットを?



【やじまりさん】はい。ダイエットとは言っても、普通の生活に戻した、というのが正しいかもしれません。太っていた頃は、夜中にカップ麺を食べるような、不健康な生活をしていたんです(笑)。それを1日3食、みんなが普通に食べる量の食事にして、お酒を控えて。あとは、それまでならバスに乗っていたところを歩く、極力エレベーターを使わない、とか。それで、ある程度までスルスル落ちました。難しくないことをやっていたので、そんなに苦しくはなかったです。



――漫画の話に戻りますが、ご自身のつらい経験を描くのは大変だったのでは?



【やじまりさん】思っていることをまとめるのが大変でしたし、とてもエネルギーを使いました。「こんな作品を描いて人に伝わるのか。自分の傷に塩を塗っているだけじゃないか」って、描いている最中も不安定になりましたね。でも、描いてあげた後はすっきりしました。デトックスでしたね(笑)。



――痩せて良かったと思うことは?



【やじまりさん】自信につながりました。それまでは、何かを成し遂げたことが一度もなかったけれど、自分で自分を奮い立たせて、ちゃんと“痩せる”という結果まで持っていけた。「自分はやれる人間だ」と、自分を褒めてあげられるようになりました。



――それはポジティブな変化ですね。



【やじまりさん】この漫画を公開したときも、「これを見て友人が離れていくんじゃないか、引かれるんじゃないか」と怖かったけれど、実際には連絡をくれたり、泣いてくれる友人もいて。「太っているとか痩せているとか、そういう目で見て一緒にいるわけじゃない」と言ってもらえたんです。自分は愛されて生きているんだと感じましたし、そんな自分とちゃんと向き合って、愛していきたいと思いました。



■どんな見た目でも「他の誰かより、自分で認めてあげればいい」



――コンプレックスに立ち向かったやじまりさんですが、同じように悩む人に伝えたいことは?



【やじまりさん】コンプレックスは悪いことじゃないと思っているんです。私も自分に自信がなかったから、今こうして漫画を描いているわけだし。みんな、心の中で苦しい思いを抱えている分、同じ悩みを持つ人の話を理解することもできる。きっと、同じように悩んだ経験があるからこそ、寄り添えると思うんですよ。ときには気持ちがどん底になったりもするけど、そこまで行ったら浮上するしかないし、時間はかかってもいつか笑えるようになると思います。救いを求めて私をフォローしてくださる人も多いと思うので、少しでもそんな人たちのサポートになれればと思っています。



――最近では、「太っていることも多様性の一つとして認めよう」という動きもあります。やじまりさんはダイエットをして、悩みながらも自信を付けたわけですが、こういったことはどう思いますか?



【やじまりさん】自分のなりたい姿になれるなら、それが一番良いと思います。人それぞれなりたい姿があって、そこに向けて努力できるのが人間だと思うので。そして、どんな見た目だったとしても、他の誰かに認めてもらうというより、自分で認めてあげればいいのかなって。そんな世の中であってほしいです。



――現在、『40キロ痩せてから思うこと』は2話まで公開されていますが、今後の予定は?



【やじまりさん】今後も続きを描く予定はあります。ただ、作品を通して友人と話したり、私自身の心境が変わったこともあり、心の違和感を一個一個紐解いて、自分の気持ちを正確に伝えたいと思っているので、ちょっと時間はかかるかもしれないですね。見守っていただけたら嬉しいです(笑)。



――では最後に、読者にメッセージをお願いします。



【やじまりさん】私の作品すべてが、自分のコンプレックスに繋がっています。コンプレックスというとマイナスに捉えられがちですが、自分の生き方を左右する指標にもなっていると思うんですよね。つまずいているんじゃなく、積み重なっているだけなんです。そうしたつまずきを恐れなくてもいいよと、皆さんに伝えていきたいです。

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