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「女性AGA」の悩み深く…認知度の低さで治療にハードル、ウィッグ選ぶ人も…高齢出産や更年期はとくに注意

認知度低く、一人で悩む人の多い女性AGA


 「抜け毛の量が気になってきた」、「分け目の薄さが目立つ」など、歳を重ねるにつれ頭髪に不安を抱く女性は多いのではないでしょうか。薄毛や抜け毛を引き起こすAGAは、男性だけに生じる疾患ではありません。しかし、女性AGAはまだまだ認知されておらず、誰にも相談できずに悩む女性も多くいます。女性の薄毛、AGAの現状や対処法について、これまで多数の症例を診てきたクリニックフォア新橋院の宋有奈先生に聞きました。



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■男性AGAとの共通点や違いは?「遺伝」よりも更年期など女性ホルモンの減少が影響



 成人男性に多くみられる脱毛症の一種で、薄毛や抜け毛を引き起こすAGA。「男性型脱毛症」と言われる通り、主に男性ホルモンに起因して発症するのが特徴です。とはいえ、この症状は女性にも現れることがあります。



 「女性の薄毛の場合、ホルモンバランスの乱れと加齢が主な原因とされています。女性の体内にも男性ほどではないですが、男性ホルモンが存在しています。更年期障害の前後などに女性ホルモンの分泌量が減少すると、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが乱れ、男性ホルモンの濃度が相対的に高くなるため、AGAと同じメカニズムで薄毛が引き起こされることがあります」(宋有奈先生、以下同)



 ただし、症状の現れ方は男性のそれとは異なるといいます。



 「男性は、前頭部や頭頂部など局所的に毛が薄くなりますが、女性の場合は、全体的に少しずつ薄くなる『びまん性脱毛症』であることが多いです。相談に来る方々からは、毛が細くなってきた、全体的にボリュームが減った、分け目やつむじが大きくなった気がする、抜け毛が増えた、ハリやコシがなくなってセットがしづらくなってきた…などの声が多く聞かれます」



 男性の場合、遺伝も要因のひとつと言われますが、女性の場合は、「なくはないが、男性に比べるとそこまで強くはないと言われている」とのこと。



 とはいえ、親が大丈夫だからと安心してはいられません。女性ホルモンが減少する更年期は、すべての女性が経験する人生の節目。人によって、更年期症状が異なるように、女性AGAにも個人差があります。ただ、症状が現れたときに放ったままにしておくと、「AGAは進行性なので、時間と共にどんどん悪化してしまう」ということです。



 さらに、女性AGAの大きな要因となるホルモンバランスの乱れは、更年期だけに起きるものではありません。



 「妊娠・出産・授乳期も女性ホルモンは減少するので、抜け毛が生じます。基本的にはその後にホルモンバランスは元に戻って毛髪も回復しますが、そのときの年齢や個人差によってはそのまま戻らず、なかなか生えてこないということもあり得ます」



 高齢出産が増えている今、産後はとくに毛髪の状態にも気を配る必要があるということです。



 また近年、若年層に増えているのが、生活習慣の乱れや慢性的なストレスによる女性AGAの発症だといいます。



 「睡眠不足によって髪が成長するために必要な成長ホルモンが不足すると、薄毛の原因となります。また、食生活の乱れや慢性的なストレスも、栄養不足や血行不良を引き起こし、ヘアサイクルの乱れをもたらします。髪は生えて抜け落ち、再び生えてくるサイクルを繰り返していますが、これが乱れると髪の成長期が短くなり、太く成長する前に髪が抜けてしまう状態に。やせ細った薄毛の原因となってしまいます」



■育毛剤や育毛シャンプーで効果は?「予防にはなっても発毛効果はあまりない」



 では、こうした女性AGAの予防やケアには、日頃の生活でどんなことを注意すればよいのでしょうか。



 「まず、食生活では、ジャンクフードやお酒は控えめにして、髪の栄養素となる海藻やミネラル成分、鉄分などを積極的に摂っていただきたいと思います。髪を作るたんぱく質も重要です。髪は約80~90%がタンパク質で構成されていて、そのうちの90%はケラチンが占めていると言われています。ケラチンには髪に柔軟性や弾力性を与えるシスチンというアミノ酸が豊富に含まれているので、美しい髪を手に入れるためにも欠かせません。これらの栄養素はサプリメントで補うのもいいと思います。また、イソフラボンや大豆は女性ホルモンと似た作用がありますので、とくに更年期前後の方は積極的に摂っていただくといいと思います」



 さらに先生はこんなアドバイスも。



 「頭皮環境も重要なので、毎日のシャンプーは大切です。シャンプー液を泡立てて、指の腹で洗ってください。血行が良くなるマッサージも効果的だと思います。一方、ヘアカラーやパーマは髪はもちろん頭皮環境にもダメージを与えるので、お薦めできません。また、自律神経の乱れも女性AGAの原因となるため、冷えやストレスもできるだけ避けたほうがいいでしょう。紫外線も頭皮や髪への大きなストレスになるので、避けてください」



 育毛剤やシャンプーなど、薄毛・抜け毛ケアの商品が多数市販されているが、「予防にはなっても発毛効果はあまりない」と先生。むしろ「そこに高いお金を出すのであれば、医療機関を受診してお薬を飲んでいただいたほうが効果は出やすい」と助言します。



 医療機関での治療では、主に「スピロノラクトン」と「ミノキシジル」という2種類の薬が使われるとのこと。



 「スピロノラクトンは男性ホルモンを抑えることで、抜け毛を予防するお薬です。そのうえで、休止期状態にある毛母細胞の活動を活性化させる効果のあるミノキシジルで発毛を促します。早い人で3~4ヵ月くらいで生えてきたり、髪にコシが出るなどの効果が期待できます」



 薬と聞くと副作用も気になってきますが、心配はないのでしょうか。



 「生理不順や乳房痛が表れる場合がありますが、稀です。量の調整などで副作用を抑えることもできますので、症状が出たときは医師に相談してください」



 とはいえ、まず医療機関を受診したり、医師に相談したりすることすら、女性にとってはハードルが高いもの。実際、テレビなどではウィッグのCMが盛んに流れているように、治療よりもウィッグで解決することを選ぶ人は多いようです。それだけ、女性AGAの認知度が低く、治療できることを知らない人、ためらう人が多いということでしょう。



 「夫のAGA治療に同行した際に、女性でも治療ができると知って、奥様ご自身が受診するようになることもあります。それだけ、女性AGAについて知られておらず、治療できることも世に浸透していないと実感しています。同時に、男性に比べて女性のほうがより深刻に悩まれている方が多く、受診へのハードルを上げている気もします。誰しも加齢とともに毛髪が細くなったり、抜け毛が増えるという症状は出ます。程度には個人差がありますが、早めの対策で治療効果は上がります。オンラインでの診療もあるので、髪のトラブルを感じたら早めに相談することをお薦めします」



 「髪は女の命」といわれてきましたが、その髪も加齢や生活習慣によってダメージを受けることは避けられません。カラーやスタイルにこだわるだけでなく、薄毛・抜け毛へのケアも心がけ、必要があれば治療に踏み出すことも考えてみましょう。



【監修】

宋 有奈(そんゆな)

獨協医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院に勤務し、形成外科・レーザーを中心とした診療を行う。現在はクリニックフォアで皮膚科、形成外科の質の高いプライマリーケアの実践を行っている。

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