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日比美思、デビュー15周年で『蒲田行進曲』小夏役に挑戦 初の妊婦役で挑戦の日々「1つのターニングポイントになるかも」

デビュー15周年で『蒲田行進曲』小夏役に挑戦する日比美思 (C)ORICON NewS inc.


 俳優の日比美思(25)が東京・紀伊國屋ホールで5月1日から4日まで上演される『紀伊國屋ホール開場60周年記念公演 たやのりょう一座第13回公演「蒲田行進曲」』にヒロイン・小夏役で出演する。ORICON NEWSでは、日比にインタビューを実施。誰もが知る名作への出演が決まった思い、初の妊婦役での演技などについて聞いた。



【写真】ウエストをちら見せする衣装で笑顔を見せる日比美思



■つかこうへい作品の名作『蒲田行進曲』でヒロイン役 台本読み「改めて発見」



 劇作家・つかこうへいさんの名作として名高い『蒲田行進曲』は、破天荒にふるまう花形スター銀四郎(田谷野亮)の虚栄と孤独、その取り巻き大部屋俳優ヤス(小谷けい)と、銀四郎の子を身籠った落ち目女優・小夏のひたむきさを描く。



――つかこうへいさんの名作に出演が決まった今の気持ちを教えてください。

【日比】素直にすごくうれしいです。誰もが知っている名作だと思うので、それに自分が携われるのは本当にうれしいです。



――場所も紀伊國屋ホールです。

【日比】初めてなので緊張します。何度も見に行っている場所なので、私もやっと自分が立てるんだっていう気持ちです。まだ、10代の時だったと思うんですが、それこそつかこうへいさんの作品である『郵便屋さんちょっと』という作品を見に行ったのを覚えています。紀伊國屋ホールは舞台に傾斜があって、遠くから見ていても見やすいなという印象で、改めて歴史ある劇場なんだなって思いました。私、紀伊國屋書店もよく行くので、そういった意味でも、すごいうれしいです。



――誰しもが知っている作品ですが、改めて『蒲田行進曲』という作品の物語を教えてください。

【日比】つかこうへいさんが描かれた愛の物語だと私は思っていて、銀ちゃんとヤスさんと小夏の三角関係を楽しんでいただける物語かなと思ってます。



――小夏という役は難しい役どころだと思います。

【日比】そうですね。もともと映画を見てたので作品自体は知ってたんですけど、つかさんの戯曲を今回そのまま使っていて。それで見ると、やっぱり映画の小夏とは、ちょっと違ったイメージかなと個人的には思ってて。ちゃめっ気があって、かわいらしくて、でも母性がある役柄だと思うので。もう母性とはかけ離れた、まだ自分では子どもだと思ってる私がやるのか、と。でも、先日初めてまるっと荒通しをして、生演奏のギターも弾いてもらった。銀ちゃんとヤスさんを演じているお相手の2人を抱きしめたいなって思う瞬間もあったりして、それはちょっと母性に近い感覚なのかなって改めて発見したりしました。



――妊婦役は初めてかと思います。演じる上で、気をつけていることはありますか?

【日比】初めてですね。妊娠8ヶ月後半までを演じるのですが、基本的にお腹周りを大きく見せるような衣装だったりは付けないんです。自分の歩き方とか仕草で、小夏が8ヶ月の子どもを抱えてるっていうのがわかるようにしています。だから歩き方とか、ちょっと引きずるような感じだったり、ガニ股だったりにしています。座る時も、本当は何かに掴まって座らなきゃいけないんですけど、基本的に素舞台なので、ちょっとずつ膝を立て、お腹を守りながら座るようにしています。もう試行錯誤です。



――妊婦役を演じるにあたってアドバイスをもらった人はいますか?

【日比】母親から(笑)。



――確かに一番アドバイスをもらうのに適していますね(笑)。

【日比】「どんな感じだった?」と聞きました。どんな時も圧迫するのが怖かったみたいですね。だから座る時も絶対にこう、のけぞったように座っていたそうです。丸くなって座るのは絶対ダメとは言われてなかったみたいですけど、圧迫するのは怖かったからできなかったと言われました。確かに、と思って取り入れました。



――つかこうへいさんを知る方がそろいました。

【日比】演出のこぐれ修さんだったり、お相手の銀ちゃん役の亮さん、ヤスさん役のけいさんも何度も演じられてる方。お三方から、つかこうへいさんのお話を聞いたりしています。つかさんは小夏のことを「天使だ」と言っていたことも伺って、なるほどな、と。そこから、みんなを包み込むような母性だったり、キュートな部分も確かに天使なのかもしれないなって思いました。



――田谷野さんは、どんな方でしょうか?

【日比】役柄がすごく破天荒な人なので、そんな方なのかなって勝手に想像してたんですけど(笑)。実際は本当に温厚で優しくて、みんながどうしたら気持ちよく稽古ができるのかっていうのを一番に考えていらっしゃる方だなって思いました。



――小谷さんは。

【日比】けいさんは沖縄出身ということもあって、すごく朗らかで。すごく親身に話を聞いてくださる方です。けいこの合間にふざけて笑わせてくれたりして、すごく優しい方だなって思います。



――2人とも少し年齢層が上ですけれども、けいこでのエピソードはありますか?

【日比】もちろんかわいがってもらってるなって感覚あるんですけど、変に先輩後輩という立ち位置じゃなくて、同じ立ち位置で「一緒に作っていこう」という感覚でいてくださる方です。お話をしていても、それを節々に感じています。稽古が終わった後とかも演出チームの方と亮さんとけいさんで飲みご飯に行ったこともありました。



――どんなお話を。

【日比】けいこの話もするんですけど、基本的にはプライベートな他愛のない話でしたね(笑)。でも、それが大事だったのかなと思います。亮さんは、酔うとかわいいです(笑)。顔がすぐに赤くなっちゃってニコニコしていて。「大丈夫?」って言ってあげたくなっちゃいました。母性を感じますね(笑)。けいさんは、気がついたらみんなのお酒を作っていました。気が回るなって思いました。こんなこと言って亮さんに怒られないかな、「俺だって気が回るよ!」って(笑)。でも、2人の関係性があって、それでなじめているのかなと思います。



■デビュー15年目に思いも「あっという間」 俳優への転機も明かす



――『蒲田行進曲』といえば、階段落ちが話題になります。今回は素舞台ですが、どのような形になっているのでしょうか?

【日比】階段落ちてる仕草です。もしかしたら段差がちょっとだけあるかも、とは聞いてるんですけど、落ちるという演出はないそうです。



――落ちるのも難しいですが、仕草だけで落ちるのも難しいです。

【日比】難しいと思います。見せ場の1つでもあるので。その前のシーンで小夏とヤスの大事なシーンがあって送り出すぐらいの気持ちで全力で演じていきたいです。落ちる時のシーンはその舞台の上にいないので、頑張れ、と思いながら見ています。



――もし自分が小夏だったら、銀ちゃんとヤスのどちらに惹かれますか?

【日比】迷いますね…。究極の2択かもしれないです。でも銀ちゃんの破天荒だけどヒーローみたいな存在に惹かれちゃう小夏の気持ちもわかるんです…。でも、まだ結婚がちょっと遠い未来だと思ってるから、もしかしたら銀ちゃんのことを好きになっちゃうかもしれないです。またちょっと年齢が上がってきて子どものこととかを考えてきたら、ヤスに惹かれちゃうかもしれないです。だから、小夏もそういう選択になったんでしょうね(笑)。



――今年で芸能生活15年目になります。15年という節目で、これまでを振り返ると?

【日比】15年ってすごいですね。他人事みたいですけど(笑)。15っていう数字見たら、すごく長いなと思うけど、必死だったから、あっという間だなと思います。



――自分のターニングポイントと思うところはありますか?

【日比】もちろん、ドラマデビューとか、映画デビューとか、初めて自分がやった経験は、1つのターニングポイントだったなって思うことも多いんですけど、基本的に日々更新されていくというか。現場でもちょっとずつ自分の本音をうまく伝えられるようになってきたりとか、コミュニケーション取れるようになってきていて。ちょっとずつ現場での楽しさも味わえてきたりしていて。ちょっとずつ成長できてるのかなって感じたりしています。



――自分の中で印象に残っている役は?

【日比】今回の『蒲田行進曲』の小夏だったりは、新しいジャンルを学んでいる感覚というか。演劇というジャンルよりも、つかこうへいというジャンルを学んでるみたいな感覚で、本当に未知数で。周りの方は、もう何度も演じられてる方で、私だけ初めてで。スタートダッシュも遅かったから、もうとにかくはいつくばってでも追いつかなきゃと思っています。今回、もしかしたらそれが1つのターニングポイントになるかもしれないなって思いながら稽古しています。



――もともとDream5でグループ活動していて、2014年には『紅白歌合戦』にも出場しま

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