【映画】
シュー・グァンハン×清原果耶『青春18×2 君へと続く道』日台のロケ地の魅力を語る

映画『青春18×2 君へと続く道』シュー・グァンハン、清原果耶(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.


 3月から台湾を皮切りに、アジア各地で公開されている日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』にてダブル主演を務めた台湾の人気俳優、シュー・グァンハン(許光漢)と、日本屈指の若手俳優・清原果耶にインタビュー。作品への思いや撮影時のエピソード、“聖地巡礼”の楽しみも語ってくれた。



【フォトギャラリー】『青春18×2 君へと続く道』ロケ地(日本編)



 国際的スター俳優チャン・チェン初のプロデュース作品であり、『余命10年』がアジアでも大ヒットした藤井道人監督、シュー・グァンハンと清原果耶のダブル主演という布陣の本作は、台湾で「今年一番泣ける」と話題を呼び、香港、マカオ、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、韓国でも公開。ベトナムでは日本の実写映画歴代1位の好成績を記録している。



 人生につまずいた36歳のジミーは、18年前に出会ったアミとの“忘れられない初恋の記憶”と“果たせなかった約束”を胸に、日本への一人旅を決意。東京から鎌倉・長野・新潟と回り道をしながらアミの故郷・福島へと向かう。一期一会の出会いを繰り返しながら、ジミーはアミとのひと夏の日々に想いを馳せる。アミと別れ際に交わした“果たせなかった約束”とは?



■日台合作、国際的なプロジェクトに参加して



――「18年前の高校生ジミーと36歳になったジミーは同じ俳優で」という藤井監督の強い希望がある中でオファーを受けた理由は?



【グァンハン】台湾と日本の合作ということで、日本語で演技をするのも初めてでしたし、とても取り組みがいがあるお話だと思いました。藤井監督の作品が好きだったので、監督の作品に出てみたいという憧れもありましたので、この作品を受けることにしました。とても特別な経験になりました。



――18歳のジミーを演じるグァンハンさんの印象は?



【清原】私が言うのもおこがましい限りですが、誰が見ても18歳の男の子に見える、そう思わせることができるというのは、まさにグァンハンさんの持っている才能、力なのではないでしょうか。もし私が、いまのグァンハンさんの年齢(33歳)になった時に18歳の役をやってくださいと言われたら、きっと戸惑うと思います。



【グァンハン】本音を言いづらいですか?僕、席を外しましょうか(笑)。



【清原】お世辞じゃないです!本心です。



――グァンハンさんご自身の18歳の頃は?



【グァンハン】僕もジミーと同じで、明確な目標はありませんでした。子どもの頃から卓球をやっていたんですが、卓球以外にもいろいろスポーツをやっていて、汗臭い男の子でしたね。



――清原さんは、中学1年生で芸能活動を始めて、18歳の時は俳優として映画やドラマでご活躍されていましたね。



【清原】月日が流れるのは早く、あっという間に22歳になりました。



――藤井監督とは縁があって、『デイアンドナイト』(2019年)、『宇宙でいちばんあかるい屋根』(20年)に続き、本作が3作目となりました。



【清原】藤井監督からアミという女の子がいるんだけど、という感じで脚本を読ませていただきました。藤井監督の中でいま私に挑戦してほしいのはこういう女の子なんだと感じて、過去2作とはうってかわって、はつらつとして明るくてまっすぐな女の子だったので、私が頑張らなくては、と強い責任感を抱いたことを覚えています。



――グァンハンさんが日本語の台詞を覚えるために工夫したことは?



【グァンハン】私の場合はスポーツと同じように、体で覚えていきました。まさに、体得しようとしたんです。撮影現場には素晴らしい通訳の先生方がいてくださって、時間があれば通訳の先生を捕まえて練習を繰り返していました。藤井監督がスタッフの方たちと日本語でお話しされている時も、「いまの日本語はこういう意味です」と教えてもらったりして、台本にない日本語も声に出して言っていました。ジミーもそんな感じだったんじゃないでしょうか。



――清原さんも中国語の台詞がありましたね。



【グァンハン】(日本語で)天才ですから。



【清原】(笑)天才にはなれなかったので、地道に繰り返し練習しました。グァンハンさんやほかのキャストの皆さんから発音を教えていただいてました。自分なりにやりやすかったのは、ルビをカタカナではなくひらがなで書くようにしたこと。その方が覚えられる気がしたんです。小さい「ぅ」や「ぉ」を使ったり、イントネーションを矢印で表したりしていました。



■日本と台湾で撮影「ジミーが旅した日本の絶景巡りをしたい」



――台湾での撮影はいかがでしたか?



【清原】台湾のいろんな場所で撮影したのですが、各ロケ地の雰囲気や人々から力をもらって、アミを演じることができたと思います。



――ジミーとアミがデートに行く映画館(全美戲院)は台湾で有名な映画館のようですね。



【グァンハン】そうなんですよ。この映画館の名物は、手描きの映画看板なんですね。我々は「幻(げん)師匠」と呼んでいるんですが、看板絵師として半世紀くらい活躍されている方で、本当に素晴らしい絵を描かれるんです。だから、今回、この映画館で撮影ができて、映画も上映してもらえて光栄でした。



――台湾での公開時、『青春18×2 君へと続く道』の看板が掲出されていました!



【清原】本当ですか!うれしい!劇中でアミが「レトロでかわいい!」とはしゃいでいますが、私もまったく同じ気持ちでした。映画という文化をみんなで愛することができる幸せを感じて、すごく印象に残っています。



――台湾と日本とそれぞれにランタンを飛ばすシーンも印象的ですよね。



【グァンハン】ランタンを飾って旧正月をお祝いする伝統のお祭りが、台湾では古くからあるのですが、今回、日本の新潟でもランタン上げができることを初めて知って、びっくりしました。ランタンを上げること自体は同じですが、台湾と新潟、場所が違うと趣がだいぶ異なるんですね。そこがユニークで面白いな、と思いました。



【清原】私も日本でランタン上げができる場所があることを知らなかったので、びっくりしました。台湾でのランタン上げのシーンは、撮影日の昼間、雨が降っていたんですよ。風も強くて。ランタン、飛ばせるかな、と心配していたのですが、なんとかギリギリ、翌朝、日が昇るまでに撮り切ることができたんです。私はそのシーンでクランクアップだったので、気持ちよく終わることができました。



――清原さんは“晴れ女”ですか?



【清原】たぶん、晴れ女だと思います(笑)。天候に恵まれることが多い気がします。



――グァンハンさんは?そもそも台湾にそういう迷信はあるのでしょうか?



【グァンハン】台湾でもそういう言い方をすることはありますよ。僕は半々かな(笑)。今回は、晴れてほしい、と強く強く願ったので、晴れてくれたような気がします。



――グァンハンさんは日本での撮影はいかがでしたか?



【グァンハン】日本での撮影は、まさにドキュメンタリーでした。バックパッカーの青年・幸次と出会う長野県の飯山線では、通常どおり走っている電車に乗りながら、限られた時間の中で撮影をしたんです。だから駅のホームで別れた幸次役の道枝駿佑さんとは、それっきり。実際のお別れでもありました。なかなかない特別な経験でした。日本パートはジミーを演じている感じがなく、ジミーの人生を追体験しているような気分でした。



 新潟のランタンもそうですが、いろいろと知らないところに行くことができてラッキーでした。松本市は静かな環境で、水がきれいで、清らかな感じがとても好きでした。福島の只見町は大自然が本当に美しくて、壮観でしたね。撮影の合間にふと周囲の景色を見るたびに、すばらしい景色だなぁと感嘆していました。



【清原】私は台湾での撮影がほとんどでしたので、ジミーが旅した日本の絶景巡りをしたいです。



――グァンハンさんは、日本から来たアミに恋をしたジミーの恋愛をどう思いますか?



【グァンハン】出会いがあって、愛があって、通じ合う心があるなら、文化や言語の違いは、問題ではないと思います!



――最後に、エンディングに流れる主題歌、Mr.Childrenの「記憶の旅人」の感想を聞かせください。



【清原】撮影が始まる前にMr.Childrenの桜井さんが曲を書いてくださって、ほぼ出来上がっていたというのを後から知って、驚きました。登場人物たちの記憶や思いにやさしく寄り添ってくれる歌詞で、本当に感動し

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