【デスク日誌】老いが生む新たな課題

東日本大震災のあの日、激震に揺れる自宅から逃げ出すことで精いっぱいだった。外出中の両親と連絡を取らぬまま職場へ向かったが、活動的な2人なら自力で対処できると信じて疑わなかった

▼15年の歳月は家族の姿を劇的に変えた。かつての快活さは影を潜め、今では両親ともに自力で歩くことすらままならない。家族だけの備えには限界があり、地域包括支援センターを介した公助や共助という外部とのつながりの大切さを、今さらながら痛感している

▼復興が進む一方、自力で逃げられたはずの親が、避難に助けを要するという現実に直面している。当時のままの防災意識では、家族の命を守ることは困難だろう

▼あの日からあすで15年。節目を追悼だけで終わらせず、刻一刻と進む家族の老いを直視し、今の状況に見合った守り方を考え直す機会にしたい。(整理部・船橋義勝)