【デスク日誌】色あせない書籍の魅力

高校時代は自転車通学だった。慣れないうちは片道で小一時間かかった。夏の暑さも冬の寒さも厳しかった

▼休憩がてら立ち寄っていたのが、沿道やその近くに2、3店あった書店。温まったり、涼んだりしながら目当ての本を探した。好きな作家の新作や、読んでいたシリーズの続編が買えたときは帰り道のペダルが軽く感じた

▼出版不況と言われるようになって久しい。通っていた書店もずいぶん前になくなった。2025年の書籍や雑誌といった紙の出版物の推定販売額は9647億円で、半世紀ぶりに1兆円を割り込んだ

▼電子書籍の普及などを背景に、昨年は雑誌が前年比10%減と苦戦。一方、書籍は大ヒット映画の原作小説などが好調で微増に転じた。高校時代に買った本を今でも読み返すことがある。魅力ある作品を手にする喜びはあの頃と何も変わらない。(整理部・長洲光司)