【デスク日誌】感覚を研ぎ澄まし観測

8月27日、気象庁から初霜・初氷の目視による季節観測を終了するとの発表があった。気候変動の影響なのかと、少し寂しい感じがした。だが、どうも違うらしい

▼大気海洋部によると、アメダスや気象レーダー、気象衛星ひまわりなどの最新技術を用いて日本全国を網羅した情報提供が可能となり、見直しが進んだためらしい

▼同月25日、国立環境研究所(つくば市)は、同時に鳴くセミ類の鳴き声を人工知能(AI)と音響シミュレーションを組み合わせ、種の判別を自動的に行う技術を発表。長期連続観測に応用した研究成果も公表した

▼最新技術やAIの組み合わせにより、地球環境を客観的かつ定量的に把握できる。科学データから、気候変動や季節の変わり目などが多面的に分かるようになりつつある。人間も技術も感覚を研ぎ澄ます。新たな展開が楽しみだ。(整理部・前田宣明)