【デスク日誌】隣人だった波山と芥川

陶芸家の板谷波山を顕彰する市民の集い「第19回波山の夕べ」(下館・時の会主催)が3日、同市内で開かれた。波山が生活、制作の拠点とした東京都北区田端の文化人の群像をテーマに、田端文士村記念館研究員の木口直子さんが講演した

▼田端には多くの文化人が住んだ。波山が同地を選んだ理由の一つは、筑波山を望める所だったからという。東京美術学校で波山を指導した岡倉天心も一時期いたらしい

▼特に有名なのは芥川龍之介で、多くの小説を田端で書いた。同じ時期、波山は芥川の住居からわずか数百メートルの所で暮らしていた。木口さんによると、2人の明(さや)かな交流を示す記録は見つかっていない

▼来年、芥川の住居跡に記念館が開館するという。田端を歩き、波山と芥川に想像を巡らすのも良い。2人が散歩で擦れ違い、互いに会釈する姿を思い浮かべる。(報道部・冨岡良一)