【デスク日誌】時間の流れ方異なる春
学校からの帰り道。ランドセルを背う男の子と女の子が、仲良く歩いている。枝先からこぼれた桜の花びらが、はらはらと舞い、空いっぱいにほどけていく。女の子が語りかける。「ねえ、秒速5センチなんだって。桜の花の落ちるスピード」
▼新海誠監督の連作短編アニメ映画「秒速5センチメートル」の冒頭。日常の風景を写実的に描く新海監督らしい美しいシーンが流れる
▼年度替わりの折である。入学や入社、あるいは異動。環境の変化に、期待と不安のはざまで戸惑いを感じる人も多かろう
▼桜の花びらは実際、もっと早く落ちるそうだ。生成AIに秒速5センチを身近なもので例えてほしいと指示した。回答は「アリの歩く速度」。花が散る様子を見る人の心持ち次第で、時の流れ方は早くなったり、遅くなったりする。春とは、そんな季節なのかもしれない。(報道部・赤城弘徳)








