【デスク日誌】誰もが持つ心の縄張り

先日、東京出張の帰りに運悪く退勤ラッシュに巻き込まれた。わずか数分だったが、最もつらかったのは他の乗客との距離。満員電車では仕方ないが、息遣いが伝わる距離に他人がいるのは正直きつかった

▼ところが、周りの人々は事もなげにスマホを眺めたり、目を閉じたりしていた。彼らには日常の一こまか。自分は満員電車になじめそうになく、都会暮らしに向いていないと再確認した

▼他者の侵入に不快感を覚える個人的空間は「パーソナル・スペース」と呼ばれ、それが侵されると人間は無意識にストレスを感じるという

▼パーソナル・スペースは誰もが持つ「心の縄張り」で、相手によってその大きさを変える。満員電車は他人と会話しないから耐えられるが、心理的距離が近くない人との対話では、相手にストレスを与えないよう適切な距離を保ちたい。(報道部・大平賢二)