2020年3月29日(日)

【論説】ゲリラ不法投棄 監視の目を強化しよう

建設現場で出たがれきなどの産業廃棄物などをトラック1、2台程度で道路際などに散発的に捨てていく「ゲリラ不法投棄」が増えて、茨城県内がごみ捨て場となっている。2016年度は13件だったのが18年度は50件確認され、19年度も増加傾向にあるとみられる。

県はパトロールを強化しているが、投棄者の特定は難しいのが現状だ。自分の土地がいつ投棄場所として狙われるか分からない。県は「管理していない土地をよく見て、入り口をふさいでほしい。容易に入れなければ捨てられない」と呼び掛けている。

県不法投棄対策室によると、1件当たりの投棄量10トン未満も含む県内への不法投棄は、15年度から17年度にかけては70〜90件台で推移し、減少傾向にあった。ところが18年度は101件と増加に転じた。

中でも、ゲリラ不法投棄は、16年度は13件だったが、年々増加して18年度は50件に上った。県は「取り締まりが厳しくなって、大規模な捨て場がなくなり、反動で散発的に捨てていくケースが見られる」と指摘している。

地域的に見ると、不法投棄、ゲリラ不法投棄とも人目に付きづらい平地林などが広がる県南、県西地域が多い。18年度のゲリラ不法投棄の場所を市町村別で見ると土浦、つくば両市が最も多く、次いで古河市、下妻市、常総市、境町、かすみがうら市と続く。

主に建設需要の高い首都圏から来て投棄するケースが多いとみられており、アクセスの良い県南・県西地域が狙われている。関東地方では千葉、茨城が特に多い。

捨てられるのは建物の解体で生じたコンクリートや木材、瓦などが交じった建設系廃棄物が大半で、人家の少ない道路際の空き地や資材置き場、耕作放棄地などが狙われ、早朝から深夜にかけての時間帯に捨てられる。県は「投棄物から排出者が特定される場合もあるが、誰が捨てたのかなかなか見つかるものではない」と話す。

不法投棄物の処理は廃棄物処理法に従えば排出者の責任で処理しなければならないが、排出者が特定されない場合、土地の所有者や占有者に清潔保持義務が生じる。しかし法的な強制力はない。このため多くは一度放棄されれば長く放置されるケースが多い。ただ、建設系廃棄物が大半を占めるため有害物質が見つかることはほとんどないという。

ゲリラ不法投棄に対しては監視カメラを設置しようにも、どこに捨てられるか分からないために設置しようもなく、対策にも限界がある。

県は県内4カ所(県北、県南、鹿行、県西)の県民センターと県央環境保全室(県庁内)が随時パトロールを実施。民間の警備会社とも契約して夜間や休日のパトロールを強化している。

発見には多くの目も必要だ。県は身近な場所で不法投棄を発見した場合、不法投棄110番(フリーダイヤル0120-536380)への通報を県民に呼び掛けている。

東京五輪・パラリンピック開催などに伴う首都圏の建設需要も一段落し、県は「(ゲリラ不法投棄が)減ってくれることを期待したい」としている。

本県の美しい平地林などをごみ捨て場にしてはならない。行政と共に県民も監視を強化して、身近な景観や環境を守りたい。

2020 年
 3 月 29 日 (日)

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