2019年10月16日(水)

【論説】台風19号被害 被災者の生活再建に支援を

関東地方を直撃した台風19号による被害の状況が徐々に明らかになってきた。県内ではこれまでに2人が亡くなり、いまだ1人が行方不明となっている。建物被害も15日午後3時現在で、床上浸水は13市町で1063棟、床下浸水は17市町で313棟に上る。ただ多数の浸水被害があった水戸市や大洗町、城里町などの実態はまだ明らかになっていないため、さらに拡大しそうだ。

農作物や農業用施設など農水産業への被害も、これまでの県のまとめでは約10憶9000万円に上っており、今後、さらに拡大しそうだ。交通機関への被害も甚大でJR水郡線の袋田-常陸大子駅間の橋が流失したほか、西金-上小川駅間の橋も傾斜した。

9月の台風15号に続き、短期間のうちにまた大きな被害に見舞われた。相次いで被災した人たちのことを思うと、胸が締め付けられる思いだ。

土砂崩れやのり面の崩落、冠水などの被害を受けた道路や決壊した河川、崩れ落ちた鉄橋などの復旧を急ぐとともに、今後は被災した人たちへの支援が必要となってくる。県には国などとも連携して一刻も早く生活を再建するための支援を求めたい。

河川も那珂川や久慈川などでは決壊や護岸の崩壊、越水などが相次ぎ、あらためて水の力の怖さを思い知らされた。災害救助法も23市町に適用され、被害は広範囲に及んだ。

被災者への公営住宅の提供を県や市町村が行っているが、今後の推移によっては仮設住宅の建設も検討しなければならないだろう。

支援物資を届けるに当たっても自治体から被災者への連絡を密にして、等しく、十分に行き渡るようにしたい。自治体の職員でも被災している人がいるだろう。住民同士が互いに助け合いながら、この難局を乗り越えたい。

大子町や常陸大宮市では病院や診療所、高齢者福祉施設、障害者福祉施設が浸水や断水の被害を受けた。患者や施設利用者の命や健康を守るための対策や支援を手厚く行いたい。

これから浸水被害を受けた家屋などの清掃が本格的に行われるであろうが、その際には感染症にも注意したい。清掃を行う際にはドアや窓を開けて換気をしっかり行い、汚泥を取り除き、しっかり乾燥させることが大切だ。けがをしないよう必ず丈夫な手袋や底の厚い靴を着用し、ほこりを吸わないようゴーグルやマスクもしたい。災害で出たごみの処理も急ぐことになるだろう。

ボランティアセンターが水戸市やひたちなか市、常陸大宮市、常陸太田市、大子町で設置された。多くの人の支援の輪を広げ、被災者を支えていきたい。県は災害に関する総合窓口(県民相談センター(電)029(301)2147)を設置している。悩み事があれば、迷わず相談してほしい。

今回の台風では、降り始めからの総雨量が北茨城市花園で462・5ミリ、常陸太田市徳田で339・5ミリと、24時間の雨量としては観測開始以来最大の記録的な豪雨に見舞われた。勢いを落とすことなく上陸する台風が続く要因としては、日本近海の海水温の上昇が指摘されている。地球温暖化が影響しているとすれば、今後も同様の台風の来襲を想定し、治水対策や避難対策などこれまで以上に力を入れなければならない。

2019 年
 10 月 16 日 (水)

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