水戸の中3女子・加藤さん 口笛国際大会ティーン部門女子総合V
世界10カ国から演奏者が集まった口笛の国際大会で、水戸市本町の茨城大付属中3年、加藤万里奈さん(14)が、ティーン部門女子で総合優勝した。米国で開かれ、40回目を迎えた伝統ある大会。見よう見まねで口笛を始めてわずか7カ月だが、国際級の演奏者たちにも引けをとらない演奏で栄冠を獲得した。加藤さんは「個性ある演奏を目の当たりにして口笛への思いも変わった。もっとうまくなるよう今後も続けたい」とし、口笛の素晴らしさを多くの人に伝えたいと意気込んでいる。
大会は4月17〜21日、米ノースカロライナ州のルイス大学で開かれた。成人、ティーン(13〜19歳)、ジュニア(12歳以下)の各部門があり、加藤さんは事前のテープ審査をパスし、ティーン部門に出場した。
大会公認のホームページなどによると、日本からは成人とティーン両部門に12人が出場。参加国は10カ国に上ったという。
加藤さんは同19日、楽器演奏と口笛を絡めるアライブアートという演奏形式で、プッチーニの歌劇「オー・ミオ・バンビーノ」を口笛と歌で披露。さらに20日は、クラシックでヨハン・シュトラウスの「チャルダッシュ」、ポピュラーで「マイ・フェア・レディ」の2曲に挑んだ。
審査の結果、アライブアートとクラシックで1位、ポピュラーで3位、そして総合で1位の栄冠に輝き、各メダルと総合優勝のトロフィーを贈られた。
加藤さんが口笛演奏を始めたのは昨年9月。テレビで見掛けた口笛奏者のまねをしたところ、友人たちに好評だった。テクニックを紹介するインターネット動画などを参考に独学で練習を重ねた。
国際大会優勝者の動画を見ているうちに、自分の実力を試したくなって大会出場を決意したという。
わずか7カ月での経験しかないが、審査員らから「大会に出場するには数年かかるのが一般的なのに、加藤さんの上達ぶりは目を見張る」と驚かれた。
加藤さんは「口笛の奥深さを実感した。テクニックの上手な人もいたけど、表現力に個性が現れる。楽器を使わず自分の体から出る音の素晴らしさを再確認した」と、口笛に対する認識を新たにした。
同大会は主に米国内で開催されているが、2008年は牛久市、10年には中国・青島で開かれている。