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よみがえる師弟愛 映画「天心」、水戸で完成試写会

映画「天心」の完成報告試写会の後、インタビューに答える松村監督=水戸市笠原町の県市町村会館
映画「天心」の完成報告試写会の後、インタビューに答える松村監督=水戸市笠原町の県市町村会館


岡倉天心の半生を描いた復興支援映画「天心」(松村克弥監督)の完成報告試写会が2日、橋本昌知事をはじめ映画支援者ら約150人を集めて水戸市笠原町の県市町村会館で開かれた。北茨城・五浦を舞台に、新たな日本画の創造に挑んだ、竹中直人さん演じる天心と横山大観らとの師弟愛が、没後100年の時を経てよみがえった。松村監督(50)は「県民の協力があって完成にこぎ着けた。天心たちの輝いていた姿を通して、生きる元気を届けたい」と話した。

映画「天心」は、東京美術学校(現東京芸術大学)の校長として新しい日本画の創造に活躍した「東京時代」と、弟子たちと再起を図る「五浦時代」とに分けて描かれている。

女性問題に端を発して美術学校長職を追われた天心は大観ら弟子4人と北茨城に移り、再起を図る。天心は、画業に励む弟子たちに時に厳しく接し、時に慈悲深く声を掛ける。「無用の用」としての熱き芸術論が“竹中節”で紡ぎだされる。

流失した六角堂の再建に尽力した茨城大学特命教授の三輪五十二さん(68)は「五浦を舞台に活躍した天心と弟子たちの人物像がリアルに描かれていた。良い映画に仕上がったと思う」と感慨深げに話した。

映画は9月2日、東京芸大の奏楽堂で完成披露試写会が開かれる。県内では、映画「天心」を上映する会(城之内景子代表)が中心となって、県民動員10万人を目標に上映化を展開。9月21日から北茨城市ふれあいセンターで、10月5日からつくば市のMOVIXつくばで先行上映され、11月からは東京や神奈川でも上映される。

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