笠間稲荷門前通り 景観整備へ

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笠間市笠間の笠間稲荷門前通りで7月、歩道を広げ車道に地場産の稲田石を敷く市の整備工事が始まる。門前通りは同市の観光拠点で、国道から市道に変更された2008年以降で初めての大規模景観整備となる。市は今後、地元活性化につながる住民主体のソフト整備を並行して進めていく考え。整備費は約3億円。市は14年度中の完成を目指す。

門前通りは、笠間稲荷神社参道前の道路約450メートル区間。通りの両側にはさまざまな商店が並ぶ観光スポットだが、かつて100店近くあった商店は現在35まで減り、新たなにぎわいの創出が課題だった。
整備計画によると、歩行者に配慮した道路整備を柱に実施。車道幅を現在の約7メートルから5メートルに狭め、センターラインのない対面通行とする。一方で歩道は1.45〜2.85メートルに拡幅する。各種イベントでの歩行者天国利用を念頭に車道と歩道の段差をなくし、安全確保策として大型車用の待避所2カ所と横断歩道両側の歩道に車止めを設ける。
車道全体と参道前の歩道には、地元特産の稲田石を敷き詰め、笠間焼のかさを付けたLED照明灯も設置。市の特色を生かした景観とする。
整備に向けて、市と地元住民、商店会、神社などの関係機関が昨年4月、「笠間稲荷門前通り整備推進協議会」を設立し、5月中旬までに整備計画をまとめた。
秋の菊まつりや初詣でにぎわう正月には工事を休み、14年度中の完成を予定する。市は13年度当初予算に整備費の一部、約1億円を計上した。
門前通りは08年に国道から市道に認定変更されたことを受け、景観整備に関する市と地元住民らの協議が始まった。ただ、具体的に進展せず、車道一方通行化も10年に社会実験を行っただけで、本格実施には至らなかった。
地元商店会は整備スタートを活性化のきっかけにしようと、5月に門前通りトイレマップを作製し、計13店舗でトイレ使用サービスを開始。参道入り口横の休憩所・ポケットパークの新たな活用法も協議しており、笠間稲荷門前通り商店街協同組合の本間敬理事長は「大切なのは道路が整備された後、住民主体でどうまちを盛り上げていくか」と語る。
今後は地元住民の勉強会「笠間のまちと通りのこれからをみんなで考える会」を定期的に開き、門前通りのまちづくりについて議論していく。山口伸樹市長は「門前通りが生まれ変わる最後のチャンス。まちづくりに携わる全員が将来について考え、行動していく必要がある」と話している。

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