発達障害、理解深めて 教諭の神山さん、経験談交え支援訴え 笠間
発達障害への理解を深めようと、読み書きがうまくできない先天性障害「ディスレクシア」がある岐阜特別支援学校(岐阜県)教諭の神山忠さんを招いた講演会が7月31日、笠間市石井の笠間公民館で開かれた。神山さんは同障害を抱える教育者の立場から、「その子に合った成長曲線を描けるよう、時には教える側の人間が学びのシステムを変えることも必要」と訴えた。
講演会は、県立友部特別支援学校の教職員で組織する「友五郎塾」が、学習研修会の一環として主催。幼稚園から高校までの教員や保護者など、約300人が参加した。
岐阜県出身の神山さんは先天性の読字障害があり、「字が読むスピードが遅いから、学校ではみんなの前で何度も叱られた」。高校卒業後は陸上自衛隊へ進み、「勉強がうまくできない気持ちが分かる教師になろう」と入隊中に教員免許を取得した。
障害を告白した現在は、岐阜特別支援学校で地域支援センター長を務め、各地で教育支援の講演などを行う。自身の経験から「子どもの自尊感情を傷つける教え方は危険」と警鐘を鳴らし、遊具を使って苦手克服の手助けをする子育てや、テストのやる気を促すため、自分で作ったプリントを持ち込ませる方法などを紹介。「生まれてきてくれたことに感謝することが、支援の第一歩」と呼び掛け、講演を締めくくった。